砂漠に咲く、石のバラ:デザートローズの不思議 | 恐竜化石に関するコラム【三葉虫,アンモナイト,サメの歯】

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何世紀もの時間をかけて繰り広げられる砂と水と太陽のドラマ

執筆・監修
藤田 大 ジュラ株式会社 代表取締役 / 理学修士(広島大学大学院修了)
創業18年(2008年設立) 累計取扱1万超 3200件超の購入者評価 メディア実績・書籍監修多数

広島大学大学院理学研究科 修士課程修了(地球惑星システム学専攻)。専門は地学・鉱物学。累計1万点を超える化石・隕石の鑑定・販売に携わり、NHK BSプレミアム「南極の秘密」CG制作や、書籍『みんなが知りたい!化石のすべて』の監修、成城学園博物館のパネルデザイン等を担当。実物標本の知見に基づき、科学的根拠のある情報発信を行っています。

何世紀もの時間をかけて繰り広げられる砂と水と太陽のドラマ

CG制作:ジュラ株式会社

砂漠の過酷な環境が生み出す、自然の芸術品「砂漠のバラ(デザートローズ)」。まるで本物のバラの花びらが折り重なったようなこの不思議な石は、どうやって出来上がるのでしょうか?

何世紀もの時間をかけて繰り広げられる、砂と水と太陽のドラマを覗いてみましょう。

「見えない材料」が地下水に溶け込む

物語は、砂漠の地下深くから始まります。かつて海だった場所や、特定の地層には、カルシウムや硫酸塩といった鉱物が含まれています。

雨が降ると、その水は砂層を通り抜け、これらの鉱物を「イオン」という目に見えないミクロな粒子の状態で溶かし込みます。こうして、栄養たっぷりの(でも私たちにはただの水に見える)「地下水」が完成します。

「自然のストロー」で地表へ上昇

砂漠の昼間は、照りつける太陽(太陽)によって地表が極度に乾燥します。すると、地下に溜まった水は、「毛細管現象」という不思議な力によって、砂の粒の隙間を伝って地表へと引き上げられます。

これは、ちょうど植物が根から水を吸い上げたり、ストローで飲み物を吸い上げたりするような仕組みです。イオンを含んだ地下水が、太陽の熱に誘われて上昇を始めます。

「水が消えて濃縮」結晶の誕生

地表近くまで来ると、いよいよ太陽の熱で水が「蒸発」し始めます。水が消えると、溶けていたカルシウムや硫酸イオンは、もうそこに留まっていられなくなります。

ここで、砂粒を芯にして、溶けていた成分が再び固まり、「石膏(CaSO₄・2H₂O)」の小さな結晶として姿を現します。これが、砂漠のバラの「赤ちゃん」です。

「成長と砂の取り込み」バラの完成へ

この小さな結晶の赤ちゃんが、さらに何世紀もの時間をかけて、上昇してくる新たなイオンを吸収しながら成長していきます。

面白いのは、この結晶が成長するときに、周囲にある「砂粒」を自分の体の中にそのまま抱き込んでしまうことです。結晶の層が重なり、砂粒を抱き込みながら、まるでバラの花びらのように外側へ、外側へと開いていきます。

自然の芸術、何百年もの奇跡

こうして、地下水のイオンが、太陽の力によって地表へ運ばれ、砂を抱き込みながら何百年もかけて成長し、ついに「完成」したのが、砂漠のバラです。

一見ただの石に見えますが、その複雑な形と質感は、砂漠の厳しい環境と、長い長い時間が作り出した、まさに「自然の彫刻」なのです。

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