進化の谷間、ミッシング・リンクとは? | 恐竜化石に関するコラム【三葉虫,アンモナイト,サメの歯】

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ミッシングリンクとは?

執筆・監修
藤田 大 ジュラ株式会社 代表取締役 / 理学修士(広島大学大学院修了)
創業18年(2008年設立) 累計取扱1万超 3200件超の購入者評価 メディア実績・書籍監修多数

広島大学大学院理学研究科 修士課程修了(地球惑星システム学専攻)。専門は地学・鉱物学。累計1万点を超える化石・隕石の鑑定・販売に携わり、NHK BSプレミアム「南極の秘密」CG制作や、書籍『みんなが知りたい!化石のすべて』の監修、成城学園博物館のパネルデザイン等を担当。実物標本の知見に基づき、科学的根拠のある情報発信を行っています。

生物の進化に関する話題でミッシングリンクと言う言葉を聞いたことはありませんか?

例えば、「類人猿から人類が進化したなかでいつ二足歩行を始めたのか、ミッシングリンクであった」といった感じ。

ダーウィンの進化論によれば、生物は生活環境に適応しながら、徐々に形態を変えていくものとされる。
この論に従えば、それぞれの進化の過程を経た化石も、見つかるはずですよね。

例えば、過去の陸上生物が海棲生物に進化したとすれば、その過程の骨、例えば、陸と海の両方で生活していたと思われる生物の骨が見つかるはずです。

ところが、そのような中間的な化石が発見されないケースも少なくないのです。

そのような生物のつながりが失われた状態を、Missing link(ミッシング・リンク)と言います。

ミッシングリンクの具体例

ミッシングリンクの具体例

ウマのように、比較的多頭棲息していた草食動物などは、化石が多数見つかるため、ミッシングリンクは発生しにくいといえます。

一方で、冒頭のクジラのように、その進化系統が今ひとつはっきりしていないものもあります。クジラの祖先は新生代のごく初期にアジアの陸で棲息していたパキケトゥスとされています。

パキケトゥスはおよそ5300万年前頃に現在のパキスタン北部やインド西部に棲息していた水陸両生の生物でした。最初のクジラは4本の足を持っていたんですね。ところが、このあと、いつクジラが現在の姿のように足を失いヒレに変化したのかが、20世紀後半まではっきりしていませんでした。現在は細かく進化が解き明かされていますが、当時は、まさにミッシング・リンクであったわけです。

また、19世紀中頃まで、猿から人への進化の過程もミッシング・リンクとされていました。その後、ご存知のように、アウストラロピテクスやジャワ原人、ネアンデルタール人などの中間的な特徴を示す化石が発見され、ミッシングは解消されています。

ミッシング・リンクと言う考え方自体に問題がある?

そもそもミッシング・リンクと言う考えは、進化が連続的に起こることを前提にしています。本当にそうでしょうか?陸上生物が海中で生活できるように進化するといった大きな変化は、徐々に起こるのではなく、突然変異によって発生し、その環境に適応して生き残ったものだけが遺伝子を後世に残していくため、中間的な生物は存在しえない、という説もあります。

あるいは、中間的な生物は存在するものの、変化が短期間で急速に起こったため、化石として発見されにくい、という説もあります。

とはいえ、基本的には、ミッシング・リンクが起こるのは、それを説明する中間的な化石の量が足りていないだけかもしれませんね。現在、ミッシングリンクとされている事象も今後の化石の発見で解消されるかもしれません。

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