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地球の誕生の歴史、現在の地球の中身
我々が、こうして今日も生活している地球。およそ45億年前に太陽星雲から誕生したことをご存知でしょうか。
そのプロセスを簡単に見ていきましょう。
地球は岩屑の集まりだった
他の惑星の形成過程と同じように、この地球も恒星(地球の場合は太陽)の星雲から固体物質が集積し、形成されたと考えられています。
最初はわずかな石屑の集まりに過ぎなかった物体が徐々に巨大化していくたびに中心におびただしい重力を持ち始めます。その重力がさらに石屑を集め、ますます巨大化していきました。
熱と圧力を受け内部の構造が変化した
ただ、この段階では、石屑が集まったに過ぎず、まだ星と呼べる状態ではありません。
隕石や微惑星の衝突を度々繰り返し、さらに巨大化するとともに、比較的短期間のうちに、構造が変化していったと見られています。
天体が衝突するたびに熱や圧力を帯び、岩石が溶け、溶けた岩石は液体へと変容していきました。徐々に全体が溶融し、鉄と珪酸塩鉱物への分化していった結果、より重い鉄が中心に、より軽い珪酸塩鉱物が縁部へと移動していきました。
珪酸塩鉱物も、より密度の高い元素がマントルに、より軽い元素が地殻へとさらに分化してきました。この段階で、中心核とマントル、そして地殻の3層に分離したことになります。
この段階で完全な球へと発展したと見られています。
火星サイズの小天体が地球に衝突し月の元ができた
45億年前頃に、地球に比しても十分に大きな小惑星、おそらくは火星ほどの天体が地球に衝突したと考えられています。その天体は地球の内部まで貫入し、地球から大量の岩屑を奪い去ったと見られています。
いったん剥ぎ取られバラバラに散らばった岩屑らは、地球を周回するうちに徐々にひとかたまりになり、最終的に一つの天体へと発展したと見られています。それが今日の月です。
実際、月から飛来した隕石の成分を分析すると、地球のマントルとよく似ていることが分かっています。つまり、当時の衝突では、深くめり込んだものの、中心核までは到達しておらず、マントルの一部を剥ぎ取ったと考えられます。
月の隕石の分析により、その年齢は地球と極めて近いことも分かっています。どうやら月は地球の一部だったと考えるのが妥当だということになりました。
なぜ地球の中心部は鉄だと分かる?
地球の中心部には鉄が集積していると言われています。地球の中心に物理的に到達する方法は未だ確立されていません。どうしても、中身を見ていないのに、鉄だと分かるのでしょうか。
地球の内部を伝播する地震波の研究などから、地球の中心には非常に堅い固体の内核とそれを取り巻く液体の外核が存在すると推測されているのです(地震波は液体よりも固体のほうが速く伝わります)。
核の成分は推定であるものの、鉄とわずかなニッケル、そして硫黄が含まれていると考えられています。
中心核とそれと接しているマントルの部分は今も化学反応を続け進化し続けているとも考えられているのです。最も中心の温度は、太陽の表面と同じくらい、極めて高温だとも言われています。地球の中心は、未だふつふつと沸き立ち、熱を生み出し続け、それがマントルを通じて火山活動へとつながっているのです。
現在の地球の内部構造
さて、下記に図を御覧ください。
地球の内部構成
内核・・・固体のニッケルと鉄で構成。地球表層からおよそ5200kmから中心まで。
外核・・・液体のニッケルと鉄で構成。表層から概ね、2900kmから5200kmくらいまで。
下部マントル・・・主にマグネシウムを中心とした珪酸塩で構成。表層から500kmから2900kmまで。
上部マントル・・・主にかんらん石を中心とした珪酸塩鉱物で構成。表層から500km付近まで。
大陸地殻・・・火成岩、変成岩、堆積岩が混在した薄い皮のような固体。表層からおよそ50kmほど。
海洋地殻・・・海洋地殻は主に玄武岩で構成、大陸地殻よりも薄く、表層からわずか10kmほど。
文責、CG制作:藤田 大(ふじた ひろし)
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