CRISPR技術でマンモスを2027年までに蘇らせる? | 恐竜化石に関するコラム【三葉虫,アンモナイト,サメの歯】

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CRISPR技術でマンモスを2027年までに蘇らせる?

執筆・監修
藤田 大 ジュラ株式会社 代表取締役 / 理学修士(広島大学大学院修了)
創業18年(2008年設立) 累計取扱1万超 3200件超の購入者評価 メディア実績・書籍監修多数

広島大学大学院理学研究科 修士課程修了(地球惑星システム学専攻)。専門は地学・鉱物学。累計1万点を超える化石・隕石の鑑定・販売に携わり、NHK BSプレミアム「南極の秘密」CG制作や、書籍『みんなが知りたい!化石のすべて』の監修、成城学園博物館のパネルデザイン等を担当。実物標本の知見に基づき、科学的根拠のある情報発信を行っています。

CRISPR技術でマンモスを2027年までに蘇らせる?

CG制作:ジュラ株式会社

21世紀に入り、かつて夢物語と思われていたマンモスの復活が、現実のものとして議論されています。これを可能にするのが、今世紀最大の技術革新の一つ、「CRISPR技術」です。化石コレクターにとっては、なんとも魅力的な話題ではないでしょうか。

CRISPR技術とは?

2012年、科学界に革命をもたらす技術が誕生しました。それがCRISPR-Cas9(略してCRISPR)です。CRISPRは、「Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats」の略で、ゲノム(生物の全遺伝情報)をまるでワープロの文章のように編集できる技術です。

過去数百年にわたり、「神の領域」ともいわれる遺伝子の分野は、チャールズ・ダーウィン、グレゴール・メンデル、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックといった偉大な科学者たちによって少しずつ解明されてきました。しかし、これまでの遺伝子改変には限界がありました。それを一変させたのがCRISPR技術です。

CRISPR-Cas9を使えば、自然にしか発生しなかった遺伝子の変異を、人工的にかつ正確にコントロールできるようになりました。この技術は、分子レベルで生物のDNAを切断し、新たな遺伝子コードを追加したり、不要な部分を削除したりすることが可能です。

CRISPR-Cas9の凄さ

CRISPR技術の最大の利点は、これまで不可能だった遺伝子編集を正確に、迅速に、そして低コストで実現できる点です。例えば、かつてはヒトのゲノム全体を解析するのに2700億円と13年もの時間が必要でしたが、現在ではCRISPR技術を使えば10万円程度で遺伝子編集が可能です。これは車やバイクを購入するよりもはるかに安い金額です。

さらに、編集の速度も飛躍的に向上しています。かつて何年もかかっていた研究が、今ではその一部の時間で完了するようになり、遺伝子研究は猛スピードで進展しています。

また、CRISPRは専門的な知識がなくても扱えるほど簡単で、一般向けの実験キットも販売されています。つまり、かつては世界最高峰のバイオラボでしかできなかったことが、今では一般人でも数週間、場合によっては数日で実現できるのです。

マンモスの復元プロジェクト

マンモスの復元を試みているのは、アメリカのコロッサル社です。同社はアジアゾウを遺伝子操作し、マンモスに近い生物を北極に復活させるため、1,500万ドルの資金を獲得し、2027年までにプロジェクトを完成させることを目指しています。

ただし、このプロジェクトの目的は、本物のマンモスを復元することではなく、寒さに適応した遺伝的特徴を持つ「マンモスに似たゾウ」を作ることです。例えば、小さな耳や高い体脂肪率といった特徴をアジアゾウに取り入れます。

このプロジェクトには、CRISPR技術の専門家であるハーバード大学医学大学院のジョージ・チャーチ教授も参加しています。チャーチ教授は次のように述べています。

「我々の真の目的は、ケナガマンモスの復活だけでなく、北極圏でマンモスの群れを再び繁栄させることです。」

この取り組みは、単なる金儲けではなく、地球環境に貢献することも目指しています。コロッサル社は19人の小規模なスタートアップですが、雇用を増やしながらマンモス復元に向けて着実に動き出しています。また、マンモスの胚を育てるための人工子宮の開発も進めており、最終的にはジュラシックパークのような観光業の可能性も視野に入れているのかもしれません。

加えて、コロッサル社はマンモスだけでなく、ウーリーマンモスと同じ時代に生きていたケブカサイ(大型のサイ)の復元も検討しています。

コロッサル社のプロジェクトがどのように進展するか、化石セブンは引き続き注視し、最新情報をお届けしていきます。

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