新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか? | 恐竜化石に関するコラム【三葉虫,アンモナイト,サメの歯】

化石ティラノサウルス 化石 レプリカ 恐竜 レンタル 模型・グッズ お問い合わせ
電話:050-3550-1734(平日10:00~18:00) メール:info@kaseki7.com(24時間対応) お買い物ガイドはこちら

新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか?

執筆・監修
藤田 大 ジュラ株式会社 代表取締役 / 理学修士(広島大学大学院修了)
創業18年(2008年設立) 累計取扱1万超 3200件超の購入者評価 メディア実績・書籍監修多数

広島大学大学院理学研究科 修士課程修了(地球惑星システム学専攻)。専門は地学・鉱物学。累計1万点を超える化石・隕石の鑑定・販売に携わり、NHK BSプレミアム「南極の秘密」CG制作や、書籍『みんなが知りたい!化石のすべて』の監修、成城学園博物館のパネルデザイン等を担当。実物標本の知見に基づき、科学的根拠のある情報発信を行っています。

新生代を代表する水棲哺乳類の一つ、バシロサウルス科の生物には、中生代の巨大な水棲爬虫類にはない特徴があります。

中生代白亜紀の海中の支配者といえば、モササウルスのグループです。

彼らは巨大な体躯、ワニのような頭部、強力な交合力に、鋭い歯を持っていました。

約6500万年前に、白亜紀の終焉とともに、海中からその姿を消し、しばらくして、海中の支配者として君臨し始めたのが、バシロサウルス科の生物です。

バシロサウルス

新生代の一時期、海を支配した原始クジラ、バシロサウルスの復元図。

モササウルスとバシロサウルスにはたくさんの共通点がある

彼らは、現世のクジラの祖先として知られており、哺乳類です。前時代の支配者である、爬虫類のモササウルスとはその点で大きく異なりますが、巨大な体躯、強力な交合力、鋭い歯という点では、共通点があります。

このような進化の形態を収斂進化(しゅうれんしんか)と言います。

※収斂進化とは、異なる種類のグループが同じような生態的地位についた時、身体的特徴が似ること。

バシロサウルスの最大の特徴の一つ、異歯性とは?

このように多くの共通点を持つ両者ですが、バシロサウルス科にしかない特徴があります。

それは異歯性(いばせい)です。

異歯性とは、文字通り、一個体の生物において、異なった形の歯を持っていること、を言います。

そんなに珍しいことなのか?

と思うかもしれません。

結論からいうと、ありそうで無い、かなり珍しいことなのです。

下のイラストはバシロサウルス科の生物の下顎のシルエットです。

バシロサウルス科の生物の下顎のシルエット

前歯、ミドルセクションの歯、奥歯によって、歯の形が異なることがお分かりでしょうか?

前歯は、比較的直線的で、ギザギザした(鋸の歯)部分がありません。

一方で、ミドルセクションの歯は、ギザギザしており、かつ三角状のおにぎりのような形をしています。

奥歯は、ギザギザしており、かつ三角ではなく、一方向に向いた独特の形をしています。

繰り返しになりますが、このように、一つの生物でも、違う形をした歯を持っていることを「異歯性」と言い、バシロサウルス科の生物はその典型と言えます。

このような特徴は爬虫類ではあまり観察されません。

ティラノサウルス科の恐竜(爬虫類)の歯の部位による違いは、異歯性?

ティラノサウルス科の恐竜(爬虫類)では、前上顎骨歯とその他の部位の歯では、形が異なるではないか、と反論が聞こえてきそうですが、その場合、異なると言っても、それほど大きな違いではありません。

バシロサウルスの歯は部位によって、明らかな違いがあり、おそらく使い方や機能面でも大きな違いがあったことでしょう。

こちらもお読み下さい。【お役立ち】に関連したコラム