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小さなタイムカプセルがここに!折りたたまれた翅脈まで観察できる、羽虫を内包したミャンマー産の琥珀、バーマイト(Burmite)/【ot4217】
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こちらは、ミャンマー北部・フカワン渓谷で採集された、バーマイトと呼ばれる琥珀です。
琥珀は世界各地で採集されますが、地域によっては愛称が付けられることがあります。たとえば、世界で最も生産量が多いバルト海産の琥珀は、リトアニアンゴールド(リトアニア産)や、シーアンバー(海辺に打ち上げられるため)などと呼ばれます。バーマイトという名前も、旧国名「ビルマ」の琥珀という意味に由来しています。
愛称が付くということは、それだけ大きな特徴をもっているということですよね。実際、この琥珀は2000年以上の採集の歴史をもち、かつてはビルマの重要な交易品として珍重されてきました。さらに、近年の研究によって、なんと約1億年前に形成されたものであることが明らかになり、科学的資料としての価値も高まっています。そのため、コレクターの間でも非常に人気があるのです。
バーマイトは、多種多様な動植物を内包していることでも知られています。この標本では、ご覧のように、翅脈まで残った薄い羽が、極めて良好な状態で保存されています。さらに注目すべきは、それだけでなく、頭部や眼の痕跡と思われる部位まで確認できることです。

写真の中央下には、冒頭の写真に登場した羽虫が、極めて明瞭な状態で保存されています。
とはいえ、これがどれほどすごいことなのか、実感しにくいかもしれません。
ここで、少し想像してみてください。もし、わずか数ミリの羽虫の遺骸が、あなたの家の軒先にあったとしたら……3日後にはどうなっているでしょうか?風に吹かれて、すでにどこかへ飛ばされてしまっているかもしれません。あるいは、雨に濡れて酸化し、分解されているかもしれません。仮に、遺骸そのものが残っていたとしても、繊細な羽は失われてしまっている可能性が高いでしょう。
では、1週間後はどうでしょうか?
1年後は? 100年後には?
いかに保存状態の良い環境であったとしても、1年も経てば、跡形もなく消えてしまうのではないかと思いませんか?
そして、今、私たちの目の前にあるこの羽虫は、1億年前のものなのです。
1年が1億回繰り返された時間。
100年なら100万回。
1万年でも1万回。
そんな途方もない時間が経過しても、こうして、当時の姿を驚くほど明瞭に保っている……これは、想像を遥かに超える奇跡的な「凄さ」ではないでしょうか。
琥珀とは、言ってみれば天然のホルマリン漬けのようなものです。いったん内部に取り込まれると、外界から完全に遮断され、風雨や風化、酸化、腐敗といった影響をほぼ受けなくなります。だからこそ、琥珀は「小さなタイムカプセル」と呼ばれるのです。

ところで、そもそも琥珀とは何なのでしょうか?何からできていると思いますか?
実は、木の樹液なんですね。「樹液」と聞いても、いまひとつピンとこないかもしれませんが、昆虫採集をしたことのある方ならご存じでしょう。クヌギの木などに、早朝、カブトムシやクワガタムシが群がっているのを見たことはありませんか?
樹液とは、木の樹皮が傷んだ際に、内部からにじみ出てくる粘性のある液体で、木の自己修復に使われるものです。糖分やアミノ酸などの栄養素が豊富に含まれており、虫たちにとっては非常に魅力的なエネルギー源となります。
甲虫類や羽虫は、これが大好物。自然と集まってくるのです。そしてそれを狙って、クモなどの捕食者もまた集まります。樹液周辺は、小さな生態系のハブのような場所になっているのです。
こうして集まった虫たちを、樹液が巻き込みながら地上に落下し、やがて流れの穏やかな水底などに堆積していく……その過程で、ごくまれに、樹液は数千万年〜1億年という歳月を経て、こうした琥珀へと変貌していくのです。

特にこの地域では、約1億年前、広大な熱帯雨林が広がっていたと考えられています。そして、そこで暮らしていた虫たちが、こうして琥珀の中に内包されているのです。
約1億年前といえば、大地を恐竜たちが闊歩していた時代。私たちは、琥珀という薄い壁越しに、まさにその時代の空気や生態系を、そっとのぞき見ているのです。
琥珀は、まさに、ロマンの塊と呼ぶにふさわしい存在ではないでしょうか。

ぜひ、こちらの羽虫を探してみてください。肉眼ではやや見えづらいため、30倍以上の高倍率ルーペの使用をおすすめします。詳しくはコラム「化石を観察するときの、ルーペの選び方」を御覧ください。

バーマイトには、たびたびこのような「もじゃもじゃ」とした漆黒の内包物が見られます。この地域には、かつて湾や河川が近くにあったと考えられているため、水生植物の一部である可能性もあります。

補助光を後方から照らしつつ撮影しました。琥珀は、光にかざすと、その表情が一変します。さすがは「人類最初の宝石のひとつ」とも称される存在。その輝きは、見る者を魅了してやみません。

この個体は非常に透明度が高いため、補助光を使わずともご覧のとおり、内部の様子を見通すことができます。目の良い方であれば、羽虫の姿を肉眼でも確認できるでしょう。

左右約22ミリほどあります。

100円硬貨との比較写真です。光を当てると、爽やかなライトイエローの色調を帯びる、美しい標本です。白亜紀の羽虫を内包した、ロマンあふれる琥珀です。
商品スペック
商品ID | ot4217 |
---|---|
年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
学名 | 小さなタイムカプセルがここに!折りたたまれた翅脈まで観察できる、羽虫を内包したミャンマー産の琥珀、バーマイト(Burmite) |
産地 | Myanmar |
サイズ | 2.2cm×1.3cm×厚0.2cm |
商品解説 | 小さなタイムカプセルがここに!折りたたまれた翅脈まで観察できる、羽虫を内包したミャンマー産の琥珀、バーマイト(Burmite) |
バーマイト(ビルマ琥珀)とは?
バーマイトは、ビルマ琥珀やカチン琥珀の名で知られ、ミャンマー北部の渓谷で発掘される約1億年前の恐竜時代に形成された琥珀です。その中には、様々な動植物が内包されており、まれに恐竜の断片的な化石も見つかっています。
琥珀は樹木の樹液が化石化したものですが、その形成には少なくとも数百万年かかるとされています。バーマイトは特に古く、1億年もの時間をかけて形成されており、他の産地の琥珀と比較しても非常に貴重です。
では、このバーマイトの元となった樹液を生み出した樹木は、どのような環境に生えていたのでしょうか。
一説によれば、これらの樹木は海岸近くの熱帯雨林に生えていたと考えられています。その樹液が固まってできた樹脂は海に流され、そこで化石化したとされています。これは、琥珀の中からアンモナイトの殻やサンゴ、カキなどの海洋性生物が発見されたことに基づいています。
さらに、一部の琥珀からは淡水性の貝の化石が見つかっており、海洋だけでなく、沿岸の河川やデルタ、湖、ラグーンなどの環境も存在していたと推測されています。また、焼け焦げた植物の痕跡が含まれていることから、現代の熱帯泥炭湿地のように、当時も火災が頻繁に発生していた可能性があります。
バーマイトの中から発見される動植物の多様性は際立っており、これまでに2000種類以上が記録されています。特に多いのは昆虫で、クモやサソリ、ダニ、ハチ、アリ、ゴキブリ、シロアリ、カマキリ、コオロギ、ヤスデ、ムカデ、水生昆虫などが含まれます。また、植物も多様で、顕花植物、針葉樹、シダ、ヒカゲノカズラ類、コケ類などが確認されています。