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白亜紀末、恐竜時代の終焉を生きた最後のラプトル|モンタナ州ヘルクリーク累層産 アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)のハンドクロウ化石/【di1743】
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こちらは、アメリカ・モンタナ州のヘルクリーク累層から採集された、アンヅ(Anzu)のハンドクロー(手爪)化石です。「アンヅ」という恐竜の名前は、あまり耳にしたことがないかもしれません。しかし「キロステノテス(Chirostenotes)」という名なら、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
実は、アンヅはかつてキロステノテスと考えられていた恐竜で、近年の研究により、この地域の標本が新属「アンヅ」として独立記載されました。
アンヅは、アメリカのノースダコタ州・サウスダコタ州、そしてモンタナ州のヘルクリーク累層からのみ知られる非常に限定的な恐竜です。時代的には白亜紀末期(マーストリヒチアン後半、約6,720〜6,600万年前)に生息したオヴィラプトロサウルス類の獣脚類で、体長は3メートルを超えたと推定されています。
アンヅは長い腕をもち、その先端には非常に大きく発達したハンドクローがありました。この爪は鋭く湾曲しており、防御や捕食行動に用いられていたと考えられています。
ご覧のとおり、たいへん見事な状態を保っており、ラプトル類化石のコレクターにとっては、まさにこの上ない魅力的なコレクターズアイテムです。
ここで少し整理しておきましょう。「キロステノテス属が消滅してアンヅ属に置き換わった」というわけではありません。現在では、キロステノテス属(Chirostenotes)はカナダのより古い地層に産するオヴィラプトロサウルス類を指し、一方で、アンヅ属(Anzu)はアメリカのヘルクリーク累層に産する後期の近縁種として独立したのです。
以前は、カナダ・ダイナソーパーク周辺とアメリカ・ヘルクリーク累層で採集された化石が、どちらもまとめて「キロステノテス」と呼ばれていました。しかし近年の研究により、両者は別属として明確に区別されるようになりました。
少々込み入った話になりますが、非常に興味深いので、もう少し掘り下げてみましょう。
白亜紀後期、北アメリカ大陸はまだ内陸海路によって東西に分かれており、西側の「ララミディア大陸」には、多様な獣脚類恐竜が生息していました。その中で、鳥類に近い姿をもつ「オヴィラプトロサウルス類カエナグナトゥス科」が独自の進化を遂げ、カナダのキロステノテスから、アメリカのアンヅへと進化していったと考えられています。
約7,500万年前、現在のカナダ・アルバータ州ダイナソーパーク層群の氾濫原に生息していたのがキロステノテスです。長い腕と直線的な爪をもつこの恐竜は、体長約2.5メートルの軽量な体躯で、非常に俊敏でした。昆虫や小動物などを捕食していた雑食性の小型恐竜だったと考えられます。
それから約1,000万年後、環境は大きく変化します。白亜紀末の北アメリカでは気候が湿潤化し、氾濫原にはシダやナンヨウスギ類が生い茂り、多くの草食恐竜たちが繁栄していました。
こうした環境の変化に適応する中で、キロステノテスの子孫たちは大型化し、植物食を積極的に取り入れる方向へ進化していきました。その最終的な姿が、このアンヅ(Anzu wyliei)です。
アンヅは体長3.5メートル以上、体重約300キログラムに達し、オヴィラプトロサウルス類としては非常に大型の部類に入ります。さらに、頭部には鮮やかな骨質のとさか(クレスト)が発達していたと考えられ、その姿はまさに「鳥と恐竜のはざまに立つ存在」といえるでしょう。
ラプトル類のハンドクロウは総じて、先端の湾曲が大きい傾向にありますが、カナダ・ダイナソーパーク層群から産出するキロステノテス(Chirostenotes)の爪と比べると、本標本はさらに湾曲率が高く、より鋭い印象を受けます。また、カナダ産キロステノテスに比べ、大型化したアンヅ(Anzu)の腕は太く強靭で、爪もそれに伴い、よりパワフルで重厚な形を示しています。
中央には血抜き溝(ブラッドグルーブ)が明瞭に残っており、極上といってよい保存状態を維持しています。
アンヅが生きた当時の北米北西部は、湿潤な森林地帯で、豊かな植物と多様な生物が繁栄していたと考えられています。
アンヅは植物・動物のいずれも食べる雑食性の恐竜で、現生の鳥類と同様に歯のないクチバシをもち、小動物や果実などをついばむように捕食していたと推測されています。
北米のオヴィラプトル類の爪化石は、めったに入手できない、非常にコレクション価値の高いアイテムです。まして、ヘルクリーク累層でしか採集されない、最終進化系のアンヅ(Anzu)のハンドクロウとなれば、まさに一期一会の逸品といっても過言ではありません。
ところで、この少し変わった属名 Anzu は、古代メソポタミアの神話に登場する鳥のような怪物神「アンズー(Anzû)」に由来します。アンズーは巨大な翼と獣の身体をもつ「天の鳥」とされ、古代シュメールやアッカドの神話では雷や風を司る存在として知られていました。
学名の命名者マシュー・ラマンナらは、本種が「鳥のような恐竜」であること、さらにヘルクリーク累層(=“Hell Creek”、地獄の谷)から産出したことにちなみ、この神話上の鳥を属名に選びました。
命名当初、ラマンナ氏は「地獄のニワトリ(chicken from hell)」をラテン語やギリシア語風にした学名案も検討したそうですが、語感が不自然であったため採用を見送り、最終的に「天の鳥」アンズーの名を用いたとインタビューで語っています。
また、このアンズ属には、現在のところ 一種のみ が知られており、その名は Anzu wyliei(アンヅ・ウィリエイ)と命名されています。
この種小名 wyliei は、Wylie J. Tuttle(ワイリー・J・タトル) という人物にちなんだものです。彼は、カーネギー自然史博物館の長年の支援者であり、理事会会長を務めた Lee B. Foster 氏夫妻の孫 にあたります。
カーネギー自然史博物館は、アメリカ国内の四大自然史博物館(スミソニアン、アメリカ自然史博物館、フィールド博物館、そしてカーネギー博物館)のひとつに数えられ、恐竜化石の研究・展示においては、特に世界的な評価を受けています。
根本部分から撮影しました。中節骨へと続く骨端部です。ティラノサウルス・レックスのハンドクロウと比較すると、スリムな印象を受けます。
表面には、崩壊を防ぐための補修が施されており、全体として状態は安定しています。なお、本化石は、国内のヘビーコレクターによって10年以上にわたり大切に保管されてきた、オールドコレクションの一品です。
長辺は約66ミリ。さすが大型のオヴィラプトル類、アンヅのハンドクロウです。同類の中では、きわめて大ぶりなサイズです。太く力強い根元から、鋭く湾曲した爪先へと続く造形は、美しさと迫力を兼ね備えた、実に見応えある標本です。
100円硬貨との比較です。非常に人気の高いラプトル類の爪化石の中でも、ヘルクリーク累層でしか採集されない希少属アンヅ(Anzu)のハンドクロウです。特徴的な形状と、極上といってよい保存状態は、ラプトルコレクターにとってまさにこの上ない魅力といえるでしょう。
こちらは、最後のラプトル「アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)」の復元イラストです。体長は3メートルを超え、体重は約300キログラム。頭部には鮮やかなクレスト(とさか)があったと考えられ、大型で華やかなラプトル類として描かれます。
商品スペック
| 商品ID | di1743 |
|---|---|
| 年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
| 学名 | 白亜紀末、恐竜時代の終焉を生きた最後のラプトル|モンタナ州ヘルクリーク累層産 アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)のハンドクロウ化石 |
| 産地 | アメリカ・ヘルクリーク累層 |
| サイズ | ロングカーブ計測6.6cm |
| 商品解説 | 白亜紀末、恐竜時代の終焉を生きた最後のラプトル|モンタナ州ヘルクリーク累層産 アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)のハンドクロウ化石 Hell Creek Formation, Montana, U.S.A. |

アンズとは?
アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)とは
■「鳥のような恐竜」の、最後の進化形
アンヅ・ウィリエイは、白亜紀の最末期(約6,700万年前)に、現在のアメリカ・モンタナ州やダコタ地方に生息していた、オヴィラプトル類の最後の進化形です。体長は3メートルを超え、体重は300kg近く。骨格はまるで大型のダチョウのようですが、頭には色鮮やかなとさか(クレスト)をもっていたとされます。
その姿は、恐竜と鳥の“ちょうどあいだ”のような存在。まさに「恐竜時代の終焉を飾った、鳥の原型」といえます。
■「地獄の谷」で発見された“最後のラプトル”
アンヅの化石が見つかったのは、北米を代表する化石層……ヘルクリーク累層(Hell Creek Formation)。英語で「地獄の谷」を意味するこの地は、ティラノサウルスやトリケラトプスなど、恐竜時代の“最終世代”が眠る場所として有名です。
そんな中で見つかったアンヅは、オヴィラプトル類としては最大級。学者たちは「まるで“地獄のニワトリ(Chicken from Hell)”だ」と冗談交じりに呼びました。しかしその学名はもっと気品があり、古代メソポタミアの神話に登場する“天の鳥”アンズー(Anzû)にちなんで名づけられました。種小名「wyliei」は、カーネギー博物館の支援者の孫、Wylie J. Tuttle 氏への献名です。
■ 雑食性の賢い恐竜
アンヅは歯を持たず、代わりにクチバシで植物や小動物をついばんでいたと考えられています。つまり、草も肉も食べる“雑食性の恐竜”。その生態は、まるで現代のダチョウやエミューのようです。
俊敏な脚、長い腕、湾曲したハンドクロウ(手爪)を駆使して、果実や昆虫、小型の獣までも捕らえていたと考えられます。近縁種の研究からは、繁殖期にはとさかの色を変え、求愛ディスプレイを行っていた可能性も示唆されています。
■ “キロステノテス”との関係
かつてアンヅの化石は、カナダで見つかったキロステノテス(Chirostenotes)と同じものと考えられていました。しかし、その後の研究で「カナダ産はやや古い時代の種」「アメリカ産は白亜紀末の進化型」であることが分かり、アンヅは独立した新属として再分類されました。
つまりアンヅは、オヴィラプトル類の“最後の生き残り”であり、恐竜時代の幕を閉じた存在のひとつなのです。
■ メモ
・「Anzu」は、古代メソポタミアの“空の神鳥”の名。
・その意味は“天の鳥”。地獄の谷(Hell Creek)で見つかった“天の鳥”という対比が美しい。
・学名は2014年に正式記載。研究チームにはカーネギー自然史博物館が参加。
・愛称「Chicken from Hell(地獄のニワトリ)」は、海外メディアで一躍話題に。
・「最後のオヴィラプトル類」






























