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マニアック&圧倒的希少!古生代ペルム紀の大型陸生両生類エリオプス(Eryops megacephalus)……歯が揃った極上級の顎骨化石/【ot4343】
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こちらは古生代ペルム紀初期に生きた大型原始両生類、エリオプスの「歯付き顎骨化石」です。古生代の化石そのものが非常に少ないうえ、陸上動物となると希少性はさらに跳ね上がります。エリオプスは初期四肢動物の進化系として完成度が高く、巨大で屈強な体格を持ち、当時の生態系で最上位に近い捕食者として君臨していました。
もし恐竜が現れなければ、地球を支配していたのは巨大両生類だったかもしれません。恐竜前夜の最強生物の一角です。詳しくはコラム「恐竜が来なければ、世界を支配し続けた生き物、エリオプス」をご覧ください。
幼生は水生、成体で陸生へ移行する種が多かったテムノスポンディル類の中でも、本種は特に「陸上寄り」へ適応した珍しい大型動物です。
この標本の素晴らしい点は多くありますが、まず最初に挙げたいのが、この保存状態。顎化石に分類するべきでしょうが、付属的な存在の歯も本当に素晴らしい。特徴的な縦のストリエーションもほぼ完全な状態で保存され、多くが先端近くまで残っています。古生代の大型両生類の標本で、ここまで状態の良いものは、本当に希少です。
また、顎化石には多数の孔が刻まれた、いわゆるスポンジ構造が見られます。
エリオプスは古生代大型両生類研究の基準にもなる代表的な生物で、骨格は比較的知られています。しかし、マーケットにおける流通量は“ほぼゼロ”に等しいのが実情です。むしろ中生代恐竜化石の方が圧倒的に多いほどです。
特に「顎骨+複数歯」が残った標本は激レア。大型両生類の顎骨は内部が空洞で脆く、歯も歯槽(ソケット)から非常に脱落しやすいため、複数歯が現存する個体は極端に少ないのです。さらに本標本の産地・オクラホマは風化の進んだ地層が多く、保存状態の良い標本はほとんど期待できません。その中でこのコンディション……まさに奇跡的と言えるでしょう。
側面から撮影すると、明確に4本の鋭い歯が並んでいます。この様子を見るだけでも、この生物が、当時、食物連鎖の頂点に君臨していたことがよく分かります。こちらは顎の外側を撮影したものです。
こちらは内側です。最も右側の歯の左側に歯槽(ソケット)があります。後ほど、クローズアップしてご覧に入れます。
繰り返しになりますが、約3億年前(ペルム紀前期)のエリオプスの顎化石が、この状態で保存されているとは、驚きです。
前述の歯槽部分を拡大してみましょう。歯が収まっていたソケット内部まで確認できるのは顎化石ならではの醍醐味です。内部は比較的平坦で、深く刺さり込むタイプの歯ではなかったことが分かります。歯の再生サイクルが早かった可能性もあり、歯の交換を示す“直接的証拠”と言えます。
この骨表面の孔も生々しく魅力的です。この表面には血管、神経などが広がり、皮膚が付着していました。
さらにディテールを見てみましょう。この歯だけでも相当な価値があります。全体として保存状態が極めて良く、特徴的な縦ストリエーションも明瞭に残っています。先端は鋭利で円錐形、根元は力強い厚みがあり、獲物をしっかりと捕らえていたことを物語っています。
根本(裏側)を撮影しました。モザイク・スポンジ構造がより明確に見られます。エリオプスは非常に強靭な咬合力を有していたと言われています。その強いバイティングパワーを支えるために、圧力を軽減できる構造になっていたのでしょうか。幅もあり、いかにも力強い構造をしています。
スポンジ状構造をクローズアップしました。
左右約94ミリほどあります。顎の湾曲が立体のまま保持され、変形していません。歯列のカーブや顎の厚み、内外面の形状が原形に近く、この生物の姿を知る上で重要な手がかりです。
100円硬貨との比較です。4本の立派な歯を湛えた見事な顎化石です。古生代ペルム紀の大型陸生両生類、エリオプスの極上標本です。
当時の食物連鎖の頂点に君臨していた、エリオプスの復元図です。
商品スペック
| 商品ID | ot4343 |
|---|---|
| 年代 | 古生代ペルム紀(2億8900万 -- 2億5100万年前) |
| 学名 | マニアック&圧倒的希少!古生代ペルム紀の大型陸生両生類エリオプス(Eryops megacephalus)……歯が揃った極上級の顎骨化石 |
| 産地 | Oklahoma, U.S.A. |
| サイズ | 全体9.4cm×4.2cm×3.7cm |
| 商品解説 | マニアック&圧倒的希少!古生代ペルム紀の大型陸生両生類エリオプス(Eryops megacephalus)……歯が揃った極上級の顎骨化石 |

エリオプスとは?
エリオプスってどんな生き物?

知れば知るほど面白い、ペルム紀の水辺ハンター
今から約2億9,500万年前のペルム紀。まだ恐竜が誕生するよりずっと前、地球の大地をのしのし歩いていたのが、この「エリオプス」という巨大な両生類です。
両生類と聞くとカエルやイモリを想像しますが、エリオプスはスケールが違います。体長は1.5〜2メートル、最大で3メートル級。当時の陸上においては“ほぼ頂点に近い”ビッグサイズで、イメージとしては「のんびり歩くワニ」と言われることもあります。
彼らの顔つきは、名前の由来にもなっている重要ポイント。“Eryops(エリオプス)”はギリシャ語で「前に突き出た顔」という意味で、眼より前にドーンと大きな頭が伸びています。頭骨自体も40センチ近くもあり、その中には円錐形の鋭い歯が並んでいました。この歯は迷路のような構造を持つ「ラビリントドント歯」と呼ばれ、獲物をがっちりつかむのにぴったりの造り。当時の水辺で泳ぐ大型の魚や、小さな四肢動物たちは良い餌だったはずです。
意外かもしれませんが、エリオプスは“水の中はそれほど得意ではなかった”と考えられています。尾は太くて短く、魚のようにしなやかには動けません。胴体は骨がぎっしり詰まったような頑丈なつくりで、どちらかというと静かに水辺で待ち伏せし、のそのそと陸に上がって生活するスタイルだったようです。まさに「半水生」の原始的なハンター。
そして特筆すべきは、皮膚の質感が化石として残っている点。なんとエリオプスの皮膚化石が“ミイラのように”保存された例があり、体表には楕円形の細かな突起がびっしり並んでいたことがわかっています。つまり、ヌルヌルの両生類というより、ちょっとゴツゴツした“古代生物らしい質感”の皮膚だったわけです。
また、エリオプスは成長してもカエルのような大変身(変態)はしなかったと考えられています。幼体は水辺で育ち、ゆっくりと時間をかけて陸で暮らせる体へと変わっていく。現生のイモリに近い、穏やかなライフサイクルだったようです。
恐竜より古く、哺乳類より古く、しかし確かにその後の陸上動物の歴史につながる“はざまの存在”として、エリオプスは古生物学でもとても重要。巨大な頭、分厚い胴体、そして水辺でのんびり過ごす姿。エリオプスを知ることは、「恐竜前夜の地球」をのぞき込むような面白さがあります。






























