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ミルクリバー層が育んだ至宝……壮大なストーリーと極上の保存状態を誇るティラノサウルス科(Tyrannosauridae)の歯化石/【di1716】
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久々に、知的好奇心を大いに刺激してくれる、素晴らしい標本がやってきました。こちらは、北米ミルクリバー層から発見されたティラノサウルス科の歯化石です。まずは「ティラノサウルス科とは何か?」という点から簡単にご説明しましょう。
「ティラノサウルス科」とは、白亜紀後半に北アメリカやアジアで繁栄した大型肉食恐竜の一群です。誰もが知る“ティラノサウルス・レックス(T. rex)”を頂点に、アルバートサウルス、ゴルゴサウルス、タルボサウルスなどがその仲間に含まれます。
このグループの最大の特徴は、何といっても巨大な頭部と強靭な顎、そして骨ごと獲物を砕いたとされる分厚い歯です。前肢は驚くほど小さく、指は二本しかありませんでしたが、後肢はよく発達しており、意外なほど俊敏に動けたと考えられています。
ティラノサウルス科は白亜紀中頃までは小型でしたが、時代が進むにつれて徐々に体格を増し、頭部もより頑丈になっていきました。そして白亜紀末期、ついに「暴君王」ティラノサウルス・レックスが登場し、最強捕食者の地位を不動のものとしたのです。
今回ご紹介する歯化石は、その壮大な進化の系譜の途中に位置するものです。ティラノサウルス科の歩みを物語る極めて重要な証拠であり、しかも驚くほど保存状態が良く、見ているだけで当時の迫力を感じさせる美しい逸品です。コレクションとしても高い価値を誇る、まさに知的ロマンに満ちた標本といえるでしょう

まず、この歯化石そのものについて簡単にご説明しておきましょう。本標本は、なんといっても完全なオールナチュラル標本であり、一切のリコンストラクションが認められません。
表面には、美麗で艶やかな光沢を残したエナメル質がしっかりと保存されています。厚みのある力強いフォルムは、ティラノサウルス科特有の「肉を抉り取るための構造」を見事に示しています。さらに、両端には鋭い鋸歯(セレーション)が残されており、かつてこの歯が獲物を切り裂き、仕留めていたであろう迫力を今に伝えてくれます。
歯化石としての美しさ、そしてコレクションとしての完成度。その両方を兼ね備えた、これ以上望めないほどの保存状態を誇る逸品です。

ご覧ください、この美しい歯形。
完全なナチュラル標本でありながら、まるで宝石のような光沢をまとい、先端まで欠けることなく保存されています。さらに注目すべきは、両側の刃に刻まれた鋭いセレーション(鋸歯)です。接写せずとも一目で分かるほど明瞭に残されており、この歯がかつて獲物の肉を切り裂いていた迫力を、ありありと想像させてくれます。

両面ともに、甲乙つけがたい保存状態を誇ります。

分厚さを感じさせるカットを1枚ご覧いただきましょう。ティラノサウルス科の歯化石に特有の厚み……獲物を噛み砕くために進化した、力強いフォルムがはっきりと伝わってきます。
閑話休題。この歯化石の系譜に話を戻しましょう。
添えられていたネームカードには「アルバートサウルス」あるいは「ゴルゴサウルス」の歯と記されていました。しかし、発見地層はミルクリバー層とあり、ここに小さな矛盾が潜んでいます。ミルクリバー層の年代は約8,410万~8,360万年前であり、ゴルゴサウルス(約7,660万~7,500万年前)やアルバートサウルス(約7,060万~6,604万年前)よりも数百万年古いのです。したがって、この標本をそれら恐竜そのものとするのは時代的に矛盾します。むしろ、これは両者が登場するよりも前の、ティラノサウルス科の祖先的存在を示す証拠と考えるべきでしょう。そこにこそ、この歯化石の真の価値とロマンが宿っているのです。
ミルクリバー層は、かつて北米大陸の中央に広がった西部内陸海路(Western Interior Seaway)の縁に堆積した地層です。この環境は実に多彩な生物を育みました。小型魚類、カメ、ワニ、哺乳類や鳥類、さらには恐竜やその卵殻までが報告されています。その中には、ティラノサウルス科の歯化石も含まれているのです。
つまり、「当時そこにティラノサウルス科が存在したこと」は確かです。ただし、それがゴルゴサウルスやアルバートサウルスだったとは言えず、むしろ未知のティラノサウルス科、あるいはそれらに連なる祖先の一員だった可能性が高いと考えられます。
そう考えると、この歯化石はただの標本ではありません。進化の空白を埋める鍵であり、ゴルゴサウルスやアルバートサウルスへとつながる血統の「前夜」を物語る証拠なのです。想像するだけで胸が高鳴り、古生物学のロマンを強く感じさせてくれますね。

この美しき鋸歯をご覧ください。
完全なナチュラル標本でありながら、これほど鮮明にセレーション(鋸歯)が残っている例は極めて稀です。一つひとつのギザギザは、まるで今も獲物の肉を切り裂けるかのように鋭さを保っています。

高倍率のルーペでセレーションをクローズアップしてみました。一つひとつの鋸歯(セレーション)が驚くほど明瞭に残されており、「凄まじい」という言葉すら追いつかないほどです。これ以上は望めない、と言っても過言ではない極上の保存状態であることを、きっと実感していただけるでしょう。

セレーションは、本来は獲物の肉や腱を切り裂くために進化した実用的な構造です。しかし、こうして数千万年の時を経た今、クローズアップして眺めると、まるで自然が生み出した芸術作品のような美しさをたたえているのが分かります。

失われやすいアウター側のセレーションをアップで撮影しました。このファスナーのように連なる独特の形状は、まさにティラノサウルス科の歯化石にだけ見られる「それ」です。

実は、ティラノサウルス科の歯には「異歯性」と呼ばれる特徴があり、口の中の位置によって歯の形が大きく異なるのです。例えば、上顎の前方に生える前上顎骨歯は細く鋭い形をしている一方、中ほどに並ぶ「ポイントトゥース」は厚みがあり頑丈で、まるで別物のような姿をしています。それぞれが異なる役割を分担していました。

遠目から眺めても十分に素晴らしい歯化石ですが、近づいて観察すると、その美しさはいっそう際立ちます。どこまで接写しても変わらない、尋常ならざる保存状態です。

そして、この歯化石の最大の特徴といってよいのが、この分厚いルート部分です。極太の歯根へと続く力強いセクションは、まさに「これがティラノサウルス科の歯だ」と実感させてくれる部位です。

ロングカーブ(歯の長辺)で計測すると、およそ41ミリあります。

100円硬貨との比較写真をご覧ください。
この歯化石が持つ特徴を改めてまとめますと……
・壮大なプロフィール
・一切の修復を受けていない、オールナチュラルであること
・エナメル質の輝きや、鋭いセレーションの極上の保存状態
どれを取っても、かつてないほど興味深く、そして美しい……まさにコレクショングレードの逸品です。
ティラノサウルス科の進化に心惹かれる方にとって、きっと特別な標本になるはずです。
なお、元のラベルにはアルバートサウルス、あるいはゴルゴサウルスの歯化石と記されていました。しかし、前述しました科学的な見地に基づき、より時代の古いティラノサウルス科の歯化石として、新たなラベルを作成しお渡しいたします。
商品スペック
商品ID | di1716 |
---|---|
年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
学名 | ミルクリバー層が育んだ至宝……壮大なストーリーと極上の保存状態を誇るティラノサウルス科(Tyrannosauridae)の歯化石 |
産地 | Milk River Formation, Montana, U.S.A. |
サイズ | ロングカーブ計測4cm 周長5.1cm |
商品解説 | ミルクリバー層が育んだ至宝……壮大なストーリーと極上の保存状態を誇るティラノサウルス科(Tyrannosauridae)の歯化石 |
ティラノサウルス科とは?
ティラノサウルス科(Tyrannosauridae)は、白亜紀後半に北アメリカとアジアに生息した大型肉食恐竜のグループです。代表種は「ティラノサウルス・レックス(T. rex)」で、恐竜の王者として広く知られています。このグループの特徴は、巨大な頭部と強靭な顎、そして骨ごと獲物を砕くための分厚い歯です。歯には「セレーション」と呼ばれる鋭いギザギザが備わっており、肉を切り裂くナイフのような役割を果たしました。一方で前肢は驚くほど小さく、指も二本しかありませんでしたが、後肢は発達しており、意外に敏捷に動けたと考えられています。
ティラノサウルス科は最初から巨大だったわけではありません。白亜紀中頃には比較的小型で、徐々に体格と咬合力を増しながら進化していきました。そして白亜紀末期に現れたティラノサウルス・レックスが、その進化の到達点といえます。アルバートサウルスやゴルゴサウルス、タルボサウルスなども仲間に含まれ、それぞれが当時の食物連鎖の頂点に君臨していました。