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様々な特徴的な部位が保存された、中国遼寧省産の恐竜時代のトクサの仲間の化石/【ot1271】
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こちらは中国遼寧省産のトクサの化石です。トクサは、現在も湿地帯などに生息しているシダ植物の仲間で、恐竜時代にはその祖先が世界中に繁栄していました。この標本では、節ごとに並ぶ構造や、竹のように伸びた内部が中空だったと思われる茎が、よく保存されています。茎と葉が同時に保存されている化石は、たいへん希少です。
トクサと聞いても、あまり馴染みがないかもしれません。実は冒頭でもご紹介したとおり、現在も日本や世界各地の湿地帯や水辺で見られる植物で、細長い茎と節が特徴です。現生のトクサはそれほど大きくありませんが、恐竜時代には高さ数メートルに達する巨大なトクサの仲間も存在していました。本化石は、そのような時代に生きていた大型のトクサの一部と考えられています。
こちらは、おそらく葉と本体の茎の中間付近の部位ではないかと推察されます。特徴的なラインが、たいへんよく保存されていますね。
そして、写真下側の、トゲのようだった紐状の部分が葉です。葉がここまで明瞭に保存された標本は非常に珍しく、トクサの化石といえば、多くは茎の部分のみが見つかることが一般的です。
この地域は、当時、湖や湿地が広がっていた場所で、魚類・昆虫・爬虫類など、さまざまな生物の化石が豊富に発見されています。植物化石は、当時の植生や気候を知るうえで重要な手がかりとなり、特にトクサの仲間は、湿潤な環境を示す示相化石の一つとされています。
各部位がまとまって保存されている、非常に珍しい化石です。
各部位が母岩に散らばるように保存されています。
この写真のいちばん下には、太く竹のような形をした部分が見られますが、これが茎の部分です。茎の内部は、中空だったと考えられています。
厚みは十分あり、平置き展示にも適しています。
裏側にも化石が見られます。
左右約13センチほどの母岩に、トクサのさまざまな部位が保存されています。
重さは840gオーバーあり、質量感のあるしっかりとした標本です。
こちらはトクサの復元図です。この図と標本を見比べることで、どの部位が保存されているのかが分かりやすくなります。
商品スペック
| 商品ID | ot1271 |
|---|---|
| 年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
| 学名 | 様々な特徴的な部位が保存された、中国遼寧省産の恐竜時代のトクサの仲間の化石 |
| 産地 | 中国、遼寧省 |
| サイズ | 母岩含め全体 幅13.3cm×奥行10cm×厚3.9cm 844g |
| 商品解説 | 様々な特徴的な部位が保存された、中国遼寧省産の恐竜時代のトクサの仲間の化石 |

10分で分かる植物の進化とは?
植物とは、光合成を行い、成長し、維持する栄養を生成する生物のことです。
現在もっとも進化しているとされる植物は被子植物(日本人が大好きな桜など)ですが、もとは、先カンブリア時代に誕生した藻類(そうるい)に遡ります。
その歴史を簡単に振り返ってみましょう。

植物の歴史は動物の歴史よりもはるかに長くさらに遡ります。
先カンブリア時代(約20億年前)には、すでに水中に藻類(そうるい)が出現していました。
古代より絶えることなく生きている生物種のことを、「生きた化石」などといいます(シーラカンス、ウミユリなど)が、植物は生きた化石の宝庫といえます。恐竜が地球に誕生するはるか前から、絶えることなく、地球上に生息し続けています。
最初の植物、藻類。(先カンブリア時代)
藻類は、水中で生活します。茎、根、葉っぱの区別はありません。体全体で栄養素を吸収して生息しています。先カンブリア時代から出現し、現世まで絶えることなく、生息しています。

地上で生活を始めたコケ類。(古生代オルドビス紀)
古生代オルドビス紀に入ると、コケ類が出現します。コケ類は、これまでの水中生活(藻類)から、陸上へと生活の場を広げました。とはいっても、湿った場所にしか生息できません。

大繁栄を遂げたシダ類。石炭の原料となった。(古生代石炭紀)
古生代石炭紀に入ると、シダ類が大繁栄します。はじめて、根、茎、葉っぱに分化した組織を持ち、栄養分を根から効率的に取り込むために、維管束(いかんそく)を持っていました。効率的に栄養素を取り込めるようになり、水の近くからやや離れても生息できるようになり、大繁栄を遂げました。大量に生息したシダ類は、石炭となり、人類の産業革命のきっかけとなったことは周知の事実です。コラム:シダ類と産業革命も合わせてお読みください。

種を持った初めての植物、裸子植物が誕生。(古生代ペルム紀)
恐竜の時代、古生代ペルム紀に入ると、種(たね)をもった植物が誕生します。裸子植物です(藻類、コケ類、シダ類は、胞子によって繁殖します)。硬い表皮で覆われた種が動物や自然環境によって遠方に運搬され、容易に勢力範囲を伸ばすことができるようになりました。

現在最も進化した植物、被子植物が誕生。(中生代ジュラ紀)
恐竜の時代、中生代ジュラ紀に入ると被子植物が誕生します。被子植物とは、胚珠(はいしゅ)が子房で覆われている植物のことです。子房は最終的に果実へと成長するため、容易に動物等に捕食され、その結果、種子を効率的に遠方に運搬できるようになりました。































