恐竜の研究のはじまった時期はいつ?

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 カテゴリ:化石ニュース 作者:

今日は、人類が恐竜の研究を始めた時期についてです。

 

恐竜の研究にいち早くとりかかった国はどこでしょう?

 

それは、「イギリス」です。

 

19世紀のヨーロッパは、自然科学に対する研究が進んでいました。

そのなかで、古代に目を向ける学者たちが出てきたのです。

彼らは地層を研究する中で、はるか昔に巨大な爬虫類がいたことを知るのです。

 

 

そこで、みなさんに質問です。

 

世界で最初に発見された恐竜の名前をご存じですか?

 

その名は、「イグアノドン」。

 

イグアノドンの名前の由来は「イグアナの歯」という意味です。

これは、イグアナの歯ととても良く似ていることからきています。

 

イグアノドンは白亜紀前期に生息していた鳥脚類です。

現在の、イギリスやカナダ、ドイツといったところにいたようです。

この恐竜を発見したのはギデオン・マンテルという人物です。

 

アンテルは靴屋の息子として生まれ、イギリスの医者になり、かつ大変な古生物マニア

でもあるといった人物でした。

 

マンテルは、実はイグアノドンの体つきを想像したとき

70mはあると推測していたようです。

が、1878年に、ベルギーの炭鉱から多くのイグアノドンの全身骨格が発見された

ことから、全身の大きさが正確にわかるようになりました。

もちろん70mなんてありません!

 

研究の結果、現在は6~10mとされています。

 

いずれにしても、マントルのイグアノドン発見によって、古代に大きな爬虫類「恐竜」

が存在したことに気づくきっかけになったのです。

 

ちなみに、現生のイグアナと、イグアノドンの間に関係はないようです。

 

 

さて、ちょっと視点を変えて、世界で最初に発表された(=学名がついた)恐竜は

何という名前でしょう?

 

すると、答えはイグアノドンではなくなります。

 

最初に学名がついた恐竜は、「メガロサウルス」です!

みなさん、よくご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 

メガロサウルス1

実は、この恐竜の骨は、発表するかな~り前に見つかってはいたものの

ゾウの骨だとか、人間の骨の一部だと長い間考えられてきたので、

恐竜の骨だと認識されるまでに時間がかかったのです。

ですが、1818年、恐竜学で有名な学者キュビエとバックランド

という人物によってこの骨が恐竜の骨だということがわかりました。

 

それから6年たった1824年、ようやく「メガロサウルス(=大きなトカゲ)」という名前が

誕生したのです。

 

メガロサウルスは、ジュラ紀中期から後期にかけてイギリスやフランスに生息した

肉食の獣脚類です。

 

 

二つの《最初》の恐竜を知って思うことは、昔の研究者は粘り強かったんだな~

ということです。

 

たとえば、イグアノドンを発見したマンテルは、先に述べたキュビエ

(メガロサウルスが爬虫類であることに気付いた学者でもあります。)に

自分の発見した恐竜について相談した時「哺乳類のものだよ」と言われて

相手にされなかったようなのです。

 

しかしマンテルは、キュビエの否定によってイグアノドンをあきらめることはなく、

よりたくさんのイグアノドンの歯を見つけるという行為に出ました。

 

このことによって、最後にはキュビエにイグアノドンが恐竜だということを認めさせたのです。

 

メガロサウルスも、17世紀、発見された時はゾウの骨だと展示されていて、18世紀に次は人間の

それも巨人の体の骨だとされ、100年以上経ってようやく恐竜の骨だということが

明らかになります。

 

それに携わる研究者が諦めれば、いずれの発見もなかったか

発見されてもその時期がかなり遅れたと思います。

 

発見した化石が恐竜かどうかを断定するのには、長い年月がかかるものなのだなあ。。。

改めて感じた次第です。

 

昔の人は「恐竜」という未知の生き物に対して、何と根気強く研究していたのだろう

とつくづく感じました。

こうやった人たちの苦労が実って、今の研究につながっているのですね!

ありがたい!

メガロサウルス2