大きく無数に成長した六角柱を見よ！混沌と秩序の融合、天然水晶 鉱物 販売

水晶の見事な標本のご紹介です。水晶というのは、鉱物学的には石英（Quartz）のことで、特に透明で美しい産状を示すものを水晶と言います。鉱物に興味の無い人でも、「水晶玉（すいしょうだま）」についてはご存じではないでしょうか。

あの丸い水晶玉のイメージとはかけ離れた形をしているなぁ、と思われることでしょう。本来、石英は六角柱状の結晶として産出します。この写真のような形状が自然本来の石英の産状なのです。それを球状に加工したものを水晶玉と呼び、数千年来、宝石として、重宝してきました。

水晶というモノは、鉱物学的分類では「石英」であることはお話ししましたが、この石英という鉱物は大変硬く、鉱物の硬度を指標化したモース硬度では、７に該当するとされています。ちなみに、最高硬度を誇るご存じダイヤモンドは１０です。それほど硬い石英ですから、漫画のように水晶玉が落下したところで、簡単に破壊されるわけではありません。ただし、本来の産状は六角柱を示すため、球状は不自然な加工形ですので、衝撃で割れることは考えられます。ガラス玉を落下させたときのように簡単に割れるモノではありませんが・・・。

花崗岩などをご覧になったことがある人は、石英がこれほど大きく成長することに驚かれることでしょう。本来、石英は、そのほかケイ酸塩鉱物といっしょになって岩石を構成する主要な鉱物です。その石英のみが特殊な環境で成長した場合、このような六角柱の産状を示す、というわけです。

石英は純度が高まると、透明を呈します。

天然のクラスターです。一つ一つが六角柱として成長していることがお分かりいただけるでしょう。あくまで六角柱です。八角柱でも、三角柱でもありません。

一般に観賞用に楽しまれる石英は低温型と呼ばれるモノで、高温環境で生成したものとは異なります。このように六角柱の産状のものは、全て低温型。水晶は低温型です。

石英を手にしたことのない人は、はじめてクリスタルを手にすると、その軽さに驚かれることでしょう。密度は２．２とガラスと同じくらい。融点は1600度を超えますから、軽くて異様に熱に強いということになります。それもそのはず、石英は地殻を構成する岩石に豊富に含まれている鉱物であり、地球を成しているといっても過言ではありません。もちろんここまで大きく成長するケースはは希です。たいていは岩のなかの一要素として粒状に含まれます。

もごもごと高く遠くに成長していったことがよく分かりますね。

規則と不規則が融和ともいうべき、天然ならではの調和。

鉱物でありながら、生き物のような成長を感じる逸品です。