卵を集団管理する恐竜の巣、南アで発見!

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 カテゴリ:化石ニュース 作者:

カナダのトロント大学の研究チームの調査によると、南アフリカ、ヨハネスブルグの南方で

草食恐竜の巣が10箇所程度見つかったということです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120124-00000018-jij-soci

 

 

この巣は、約1億9000万年前(ジュラ紀初期)の地層から見つかったもので、

中型の草食恐竜であるマッソスポンディルスの巣です。

 

 

 

全長4~6mの草食恐竜「マッソスポンディルス」。

ちょっと響きが面白い名前ですよね。

この恐竜の名付け親は「リチャード・オーエン」です。

リチャード・オーエンはダイノサウリア=「恐竜」という言葉自体を作り

恐竜を一つの生物グループにまとめた有名な古生物学者です。

 

 

 

リチャード・オーエンがマッソスポンディルスと命名したのは

この恐竜の背骨がとても大きかったからだそうで、

マッソスポンディルスという言葉を訳すと「大きな背骨」という意味になります。

 

 

 

今回はマッソスポンディルスの親の化石やその卵、そして胚の化石が発掘されました。

 

 

研究の報告で面白いなと感じたことにこんなことがあります。

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[マッソスポンディルスの母親は、集団で何度も巣に戻っては、

卵がきちんと孵化するように管理していた」

「群れで繰り返し同じ場所に巣を作り、卵を産んだ」

 

 

 

子孫を残すため、卵を大事に大事に管理していた跡が見つかったとは、ちょっと感慨深いですね。

それにしても「集団で管理」というのは一体どういう状態でしょうか?

見廻り担当を決めていて、時間がきたら順番に交代制で見廻りしていたのでしょうか?

そうだとすれば、かなり高等な脳をもっていらっしゃいます。

 

 

 

まさか恐竜同士で相談して決めていたのか、はたまた本能的に

それをやってのけていたのかは未知ですが、非常に面白い行動ですね。

 

 

その他に分かった新たな事実として、マッソスポンディルスの赤ちゃんは、

孵化したときの大きさから2倍のサイズになるまでは巣から出ず、

成長するまで巣の中で過ごしていたということが分かりました。

 

 

ちょうど人間で言うと、生まれたての赤ちゃんが当分の間は外出を控える、

なんていう感覚と同じでしょうか。

お母さんのもとで、ぬくぬくと大事に育っていたようです。

 

 

 

また、彼らは子どもの頃は4本の足で歩いているのですが、

大人になるにつれ2本の後ろ足で立つということも今回の発見で分かったのです。

 

 

 

さて、それにしてもどうして大人になったら2本足で行動するようになったのでしょう。

2本足のほうが、移動が速くて敵から逃れやすいとか食べ物が採りやすいなど、

いろいろ事情があったのでしょうか。

そのあたりの情報がぜひ知りたいですね。

 

 

 

 

みなさま、恐竜の卵といえば、1922年にモンゴルで見つかった

オビラプトルの卵と巣の化石が有名です。

 

 

オビラプトルは卵の巣の近くで発見され、この巣がプロトケラトプスのものだと考えられて

いたために、「卵泥棒」という意味の大変不名誉な名前をつけられてしまった恐竜です。

結局巣の持ち主はオビラプトルだったことが後に分かり、ただ単に自分の卵を

大事に温めていただけで、決して卵泥棒ではなかったのです。

 

 

それでも「卵泥棒」という名前が正式な学名ですから、

不名誉なイメージがどうも消えないオビラプトル。

彼らは白亜紀後期の恐竜です。

 

 

 

一方今回の巣や卵の化石は、1億9000万年前の地層から発見されました。

1億9000万年前というとジュラ紀のものですから、恐竜の子育てに関する行動や

子供のころの過ごし方までも示される事例としては今回の化石が最古のものとなるそうで・・・。

 

 

この発見は研究者もさぞ嬉しかったことでしょうが、我々恐竜ファンにとっても母親の子育てや

恐竜の成長過程てに関する驚きの情報をたくさん得られる、大変嬉しい発見となりました。

 

 

 

日々新たな発見の可能性がある古生物の世界、やっぱり面白い!!

そんな風に感じた一日でした。