新種小型恐竜発見!カナダ

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 カテゴリ:化石ニュース 作者:

分厚くかたい頭蓋骨をもつ、

パキケファロサウルスをご存知でしょうか?

 

体長4-8メートルの大型恐竜で、俗に

石頭恐竜と呼ばれています。

 

パキケファロサウルスは、

今から7060万年前~6550万年前、

中世代白亜紀のマストリヒシアン期

とよばれる時代、北米に生きた恐竜です。

 

 

このたび、パキケファロサウルスによく似た

小型の新種恐竜が発見されました。

 

 

その新種の恐竜名は、ギリシャ語で「高いドーム」を意味する

「Acrotholus audeti」だそう。

 

 

この恐竜は、5/7日の英科学誌

ネイチャー・コミュニケーションズ

(Nature Communications)で発表されています。

 

 

彼らは、パキケファロサウルスの仲間で

パキケファロサウルスが登場するより前の

8500万年前の地層で発見されました。

 

 

大きさは1.8メートル、体重40kgと、

パキケファロサウルスにくらべて非常に小さく、

例えると大型犬ほどの大きさです。

 

 

「パキケファロサウルス」の仲間としては

北米最古の種で、世界最古である

可能性もあるそうです。

 

 

面白いのは、頭のてっぺんの骨の厚みが

10cmほどもあること。分厚いですね~。

 

 

ちなみに、有名なパキケファロサウルスの

頭の骨の厚みは、15cmほど。

 

 

彼らは、ドーム状の分厚い頭で

敵を頭突きしていたのではないか

と考えられていましたが、

これは、研究者によると有りえないようです。

 

 

というのも、もし頭突きをしようものなら、

首の骨が弱くて折れてしまうというのです。

 

 

実際には、仲間同士の力くらべをし、

なわばり争いに用いられたのではないか、

という説がありますが、はっきりとは分かっていません。

 

 

 

さて、パキケファロサウルスの分類における

Acrotholusの位置を研究者が調べてみると

これらの種を含む、体重100キロ以下の小型恐竜

というのは、これまで知られていたより、

多様な種が存在するのではないか、と結論づけたようです。

 

 

今回の新種恐竜発見で、

研究者たちは、これまでの恐竜の見方が

ガラッと変わるかもしれない、と考えています。

 

 

恐竜時代は、巨大生物が反映し、

地球上の覇者であった、

と考えていたのが一般的。

 

ティラノサウルスVSスピノサウルス(化石セブンオリジナルCG

ティラノサウルスVSスピノサウルス(化石セブンオリジナルCG

 

数m~数十m級の超巨大な生き物が、大多数を占め、

恐竜時代の覇者だった、とわれわれは認識しています。

 

 

が、実際は、小型恐竜が多種多様に存在しており、

これまでの恐竜界のイメージとは

若干異なるのではないか、というのです。

 

数十mをほこる竜脚類恐竜

数十mをほこる竜脚類恐竜

 

 

小型恐竜は、単に体型が小さいために化石として残りにくく、

巨大な恐竜たちが化石として残りやすいため大型恐竜が

強調されていただけではないか、と。

 

 

小型恐竜は、近年発見が多く、今後もさまざまな種類の

恐竜が発見されると考えられます。

 

小型肉食恐竜コエロフィシス

小型肉食恐竜コエロフィシス

 

小型恐竜たちが、大型恐竜とどうやって

棲み分けをしていたかや、いかに生き延びてきたかということは

恐竜ファンにとって、興味の対象です。

 

今後の研究結果に注目です。

 

凶暴なかぎ爪をもつ小型恐竜

凶暴なかぎ爪をもつ小型恐竜