「食う、食われる」のはじまり

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 カテゴリ:化石ニュース 作者:

生きているものは、皆何かを食べ、

誰かに食べられるという戦いの運命にあります。

 

デボン紀海の捕食者ダンクルオステウス

 

生き物が「食う、食われる」の関係になったのは何年前だと思いますか?

実はそれより前は生物同士の争いというものはなかったようなのです。

 

 

答えは、5億1000万年前頃。

時代で言えば、カンブリア紀という時代です。

 

まだ陸には生物が上陸しておらず、生物競争は海の中の出来事です。

カンブリア紀は無脊椎動物が爆発的に増えて進化した時代です。

 

カンブリア紀最強の生き物といえば、「奇妙なエビ」という意味の名前の

アノマロカリスという肉食動物でした。

 

 

当時の食物連鎖の頂点に君臨していたアロマロカリスは、

体長60cm~1mくらいの生き物で、これまでに知られている生物の、

どの分類にもあてはまらない未知の生き物です。

 

 

歯のついた口とヒレをもち、獲物を捕まえる触手が

頭部についている、見た目にも面白い生物です。

 

このアノマロカリス、バラバラ事件のように化石が見つかっています。

まずは触手だけが発見されました。

 

この時専門家はエビのグループだと判断しました。

次に口が見つかり、これはクラゲのグループ、

体が見つかるとナマコのグループだと思われていました。

 

 

でも、触手と口が同時に化石となって発見されて、

初めて二つは同じ化石だということがわかったのです。

 

あまりに古い時代の化石。専門家も手探り状態で

これらの発見に至ったというわけですね。

 

カンブリア紀に「食う、食われる」競争が始まって以来、

現在まで生き物の戦いは絶滅と進化を遂げながら続いています。