なぜ、足跡化石なのに、膨らんだ化石があるの?
こちらの標本をご覧ください。アロサウルスのフットプリント化石です。

この標本は、足跡化石なのに、膨らんでいますね?「足跡の化石なら、へこんでいるのでは?」そう思った人も多いはず!そこで、なぜ膨らんだ足跡化石が存在するのか、CGを交えて分かりやすく解説いたしましょう!
フットプリント(足跡化石)のネガとポジ
足跡化石には、ネガとポジが存在しています。
ネガ?ポジ?と言うと写真のネガポジを思い出す人が多いかもしれません。
しかし、ネガポジは決して写真だけの用語ではありません。
ネガポジは日本語で言うと「凹凸」の意味になります。
へこんだ方がネガで、ふくらんだほうがポジですね。
フットプリントのネガ化石とは?
フットプリントのネガ化石とは、恐竜が地面を踏んだとき、へこんだ地面が化石になったものを指します。
以下CG参照。

このように、恐竜によって踏まれた為、へこんだ状態になっています。
一方、ポジ化石もあります。
フットプリントのポジ化石とは?
フットプリントのポジ化石とは、膨らんだ足跡化石のことですが、どうやってできるのでしょう?
恐竜が地面を踏んだとき、地面はへこみます。 そのへこみに、泥などの土砂が堆積するなどし、数千万年単位の時間が経過することで、上に堆積した土砂の側が化石化したものがフットプリントのポジ化石となります。
以下CG参照。
足跡(あしあと)化石はなぜ少ない?
中生代では、全世界に恐竜がいたはずなのに、なぜ全世界から、フットプリント化石が産出せず、一部の地域からだけ、産出するのでしょうか?
言い換えれば、なぜフットプリント化石は、骨化石に比べて、希少なのでしょうか?
その理由は、フットプリント化石の生成過程にあります。
いくら恐竜が巨大でも、風化をしていない固い花崗岩等の上を歩いても、足跡が付くことはありません。
足跡ができるのは、泥や柔らかい土等の上を歩いた時だけです。
そのため、足跡が化石として残る地域は限られおり、その希少性が増すのです。
しかも、脆くてすぐに壊れやすい。化石標本として世に出るのはごくわずか
また、柔らかい泥地が化石化したものですから、恐竜化石ハンターによって、発掘されたとしても、頁岩(※注1)となっているため、非常に脆(もろ)く、化石コレクターが満足するような保存状態の標本はわずかしかありません。
今回、化石セブンが発表した標本は、保存状態として最高レベルのフットプリントのポジ化石です。化石コレクターにとっては、一期一会になるといって過言ではない、最高の標本の一つと自負しています。

(※注1) 頁岩とはは堆積岩の一種で水中で積したものが脱水・固結してできた岩石で、割れやすい性質があるもの。