地球史上最古の「木」とは? | 恐竜化石に関するコラム【三葉虫,アンモナイト,サメの歯】

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地球史上最古の「木」とは?

執筆・監修
藤田 大 ジュラ株式会社 代表取締役 / 理学修士(広島大学大学院修了)
創業18年(2008年設立) 累計取扱1万超 3200件超の購入者評価 メディア実績・書籍監修多数

広島大学大学院理学研究科 修士課程修了(地球惑星システム学専攻)。専門は地学・鉱物学。累計1万点を超える化石・隕石の鑑定・販売に携わり、NHK BSプレミアム「南極の秘密」CG制作や、書籍『みんなが知りたい!化石のすべて』の監修、成城学園博物館のパネルデザイン等を担当。実物標本の知見に基づき、科学的根拠のある情報発信を行っています。

地球上に、最初の樹木が登場したのは、現在のところ、古生代デボン紀(4億年以上前)と考えられています。

当時の気候は現世よりも暖かく、地上の大半は砂漠でした。この時代の植物はまだ陸の内部に進出しておらず、水辺を中心に繁栄を始めていました。

その中心的な樹木の一つが、アーケオプテリス(Archaopteris sp.)です。

※ 始祖鳥のアーケオプテリクス(Archaeopteryx)と混同しないようにして下さい。

アーケオプテリスの想像図(CG制作:Hiroshi Fujita ジュラ株式会社)

アーケオプテリスは成木になると、30メートル近くに達し、若木でも10メートルはあったと考えられています。アーケオプテリスは、広義のシダ類に属します。シダと言うと、以下のような草の植物を思い浮かべるかもしれません。

現世でよく見かける草状のシダ類。

アーケオプテリスなどのシダの仲間は、木性シダと言って、上のような草状のシダとは異なります。

木性シダとは?

木性シダ(もくせいシダ)とは、樹木のように発達するシダ植物のことです。直立した丈夫な「幹」を持っていますが、幹は、一般的な樹木と異なり、年輪を持っていません。つまり木性シダの幹は肥大成長しないのです。その代わりに、茎に根が貼り付くことで、強度を保っています。

古代の木性シダのなかには、現世の木性シダとは比較にならないほど巨大なものがありました。その外観は樹木でしかありませんが、あくまで茎が成長したものです。

しかし、下記の古代の木性シダの幹の化石をご覧いただくとわかりますように、分厚い樹皮があり、現代人の感覚ではシダ植物とは到底思えないほど、しっかりした幹を持っていたことがわかります。

頑強な幹ではあるものの、年輪がない、という意味では、木性シダの特徴を備えています。

古生代石炭紀の木性シダと思われる幹の化石(珪化木)。弊社売却品。

このように、年輪のない幹の化石は、木性シダのものであると推察することができます。

もし、現代の街に、アーケオプテリスが生えていたら・・・

現代の街とアーケロプテリス(想像図)

アーケオプテリスと現代の街1(CG制作:Hiroshi Fujita ジュラ株式会社)

成木は一般的な10階建てのビルに相当する高さまで成長したと考えられています。

現代の街とアーケロプテリス(想像図)

アーケオプテリスと現代の街2(CG制作:Hiroshi Fujita ジュラ株式会社)

人間や車などと比較すると、いかに巨大であったか、分かることでしょう。

古代の木性シダ

木性シダは古生代に大発展を遂げました。

最も有名な種の一つは、現在の石炭の元となった考えられる、レピドデンドロン(古生代石炭紀)です。

レピドデンドロンの復元図

レピドデンドロンの想像図(CG制作:Hiroshi Fujita ジュラ株式会社)

成木になると、高さ45メートルに達しました。細長い茎(幹)の上部にのみ、枝が発達していました。

古生代の木性シダは大繁栄し、地球のあらゆる陸地を征服していきます。
現代の石炭の原料になったのは、裸子植物でも、被子植物でもなく、木性シダだったのです。

コラム「産業革命の原動力となったのは石炭紀に大発展したあの植物」も合わせて御覧ください。

現世の木性シダ

現世にも木性シダは存在します。ヘゴ科のシダが代表的です。シダでありながら、高さ4mを超えることがあり、太く発達した茎が特徴です。

見た目は裸子植物のソテツなどに似ていますが、ソテツの幹は、樹齢を重ねるごとに年輪を増やし、肥大成長します。一方、ヘゴなどの木性シダの幹はあくまで「茎」であり、年輪を持ちません。

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