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日本列島の古い記憶……岩手県雫石町用ノ沢産、脈・輪郭ともによく保存された木の葉の化石/新生代第三紀(6600万--260万年前) 化石セブンスマホ専用サイト


こちらは、岩手県の大地から姿を現した一枚の木の葉の化石です。岩手県雫石町(しずくいしちょう)用ノ沢は、保存状態の極めて美しい植物化石が産出することで知られる名産地です。数千万年という、想像を絶する歳月を経て現代の私たちの手元へと届けられたこの標本。それは、日本列島がまだユーラシア大陸の一部であったか、あるいは激動の地殻変動によって切り離されようとしていた時代の記憶を、今に伝える貴重なタイムカプセルです。


主脈から側脈、そして細かな葉の縁にいたるまで、当時の姿を留めた広葉樹の葉。この一枚が育まれたのは、今から約2,000万年前の中新世(ちゅうしんせい)と呼ばれる時代です。当時は地球規模で温暖化が進み、日本列島の原型が形作られたフェーズにあたります。活発な火山活動や地殻変動が繰り返されるなかで、現在の日本の豊かな地形や生態系の基礎が築かれていきました。


マクロ撮影によるクローズアップをご覧ください。特筆すべきは、中央を貫く太い主脈から左右に整然と伸びる側脈、そしてさらに細かく網目状に広がる細脈に至るまで、驚くほど鮮明に浮き上がっている点です。葉の縁(葉縁)のラインも非常に滑らかで、まるで昨日、森の地面に落ちたばかりの葉をそのまま石に変えたかのような生々しさがあります。自然が描いた、精緻なボタニカルアートとも呼べる美しさです。


植物が化石として残るためには、いくつもの偶然が重なる必要があります。森で落ちた葉が、腐敗する前に素早く水底の泥に埋まり、酸素から遮断されることが不可欠です。その後、長い年月をかけて周囲の鉱物が染み込み、組織が石へと置き換わっていく「石化」が進みます。この標本の母岩が淡いクリーム色をしているのは、当時の火山灰を含んだ非常に粒子の細かい泥が堆積したため。その細かさが、これほどのディテールを守り抜いたのです。

詳しくはコラム「湖底に眠る葉……木の葉の化石ができるまで」を御覧ください。


この木の葉は、その形状からブナの仲間(Fagus)やカシの仲間(Quercus)など、温帯から暖温帯に分布する広葉樹のものと推測されます。当時、日本列島には「阿仁合(あにあい)型植物群」や「台島(だいじま)型植物群」と呼ばれる特徴的な森が広がっていました。この化石がどの特定の種に属するのか、図鑑や文献と照らし合わせて同定を試みるのも、所有する楽しみの一つ。現代の植物学のルーツを辿る、知的な冒険へと誘ってくれる標本です。


母岩の側面を見ると、一部に鮮やかな赤褐色の層が露出しています。これは、地中で長い年月をかけて鉄分を多く含む水溶液が沈着・酸化したもので、天然の鉱物ならではの風合いを感じさせます。


標本の裏面もあわせてご確認ください。母岩は非常にきめ細かい粒子(シルトや火山灰質)で構成されており、かつてここが湖の底など、水の流れが穏やかな場所であったことを感じさせてくれます。


側面からは、粒子が何層にも積み重なってできた「年輪」のような堆積構造が見て取れます。植物化石は、古環境学において「過去の気候を知るための温度計」とも呼ばれます。葉のサイズや縁の形状(鋸歯の有無)などを解析することで、当時の平均気温や降水量を推定できるからです。かつての東北地方は、現在よりもさらに温暖で、多様な広葉樹が瑞々しく茂る楽園だったのかもしれません。


サイズは、存在感のある約14cmの母岩に対し、葉本体が約7.8cm(78mm)という立派な大きさです。


100円硬貨との比較です。海外産の化石も魅力的ですが、国内で産出した標本には、私たちの足元に広がる大地との繋がりを感じる特別な価値があります。中新世の岩手は、日本列島が独自の進化を遂げようとしていた「アイデンティティの形成期」。この葉が揺れていた森こそが、現在の日本の山々の遠い先祖なのです。日本の自然史の断片を、ぜひお手元で慈しんでいただければ幸いです。


この標本の産地、東北地方に広がっていたであろう中新世(ちゅうしんせい)の情景を想像でイラストにしたものです。

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価格

商品ID:ot4433

時代:新生代第三紀(6600万--260万年前)

産地:岩手県 日本

サイズ:本体幅7.8cm 母岩含め全体14cm×10.4cm×厚2.6cm

商品説明:日本列島の古い記憶……岩手県雫石町用ノ沢産、脈・輪郭ともによく保存された木の葉の化石

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