

こちらは、岩手県雫石町で採集されたブナ類の葉の化石です。雫石町周辺は中新世の湖が発達した地域で、細粒の泥により化石が非常に美しく残る、日本でも屈指の植物化石産地です。

本品は、中期中新世の温暖湿潤な気候下で繁った広葉樹林の葉がそのまま残ったもの。現在の東北とは全く異なる“温暖期”の葉っぱの化石です。

湖底の“酸素に乏しい静かな環境”で即座に埋没したため、葉脈・葉縁・形態がくっきりと保存されています。化石の形成過程はコラム「湖底に眠る葉……木の葉の化石ができるまで」をご覧ください。

葉の表面が炭化し薄い膜となって残る“炭質膜保存”。植物化石の中でも保存条件が限られる特別な産状です。

裏面です。近くの火山から降り積もった火山灰を交えた細粒泥が、葉をそっと包み込み、そのまま数百万年の時を閉じ込めたまま、石化したものです。

側面から見ると、湖底に少しずつ細粒の堆積物が蓄積したことがよくわかります。

母岩含め左右約10センチ、木の葉本体約5センチほどです。

100円硬貨との比較写真です。母岩の右下にも、木の葉の部分化石が見られます。葉が描く繊細な模様は、まるで植物が描いたモノトーンの絵画のようです。


価格:
商品ID:ot4305
時代:新生代第三紀(6600万--260万年前)
産地:岩手県 日本
サイズ:本体幅5.3cm 母岩含め全体10.5cm×7.8cm×厚2.6cm
商品説明:採集年月:2008年8月
この商品は売却済みです。
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