こちらはミャンマー産の琥珀「バーマイト」です。ミャンマー北部・フカワン渓谷で採集されるこの琥珀は、約1億年前に形成されたという説が有力です。約1億年前といえば、地球上を恐竜が闊歩していた時代です。
写真は、内部に保存されていた昆虫です。バーマイトは、多種多様なインクルージョン(内包物)を含んでいることでも知られており、特に昆虫の種類は、1,000種類をゆうに超えるとも言われています。
冒頭の昆虫は、琥珀のほぼ中央に鎮座しています。約1億年前の虫が化石として残ること自体、極めてまれで、世界的に見ても一部の保存状態の良い地域に限られています。
なかでも、琥珀に内包された昆虫は、極めて上質な保存状態を保っていることで知られています。これは、琥珀に包まれることで外部環境から完全に遮断され、まさに「箱入り娘」のように守られた状態になるためです。
琥珀が「小さなタイムカプセル」と称されるのは、この天然の冷蔵庫のような高い保存効果に由来しています。
ご覧のとおり、触角や脚など、通常は失われやすい繊細な部分まで明瞭に保存されています。ぜひ、30倍以上の高倍率ルーペでじっくりご覧ください。
詳しくはコラム「化石を観察するときの、ルーペの選び方」を御覧ください。
こちらには、また別の虫の一部と思われる化石が保存されていますね。
こちらには、植物片の一部でしょうか。あるいは、何やら毛のような痕跡も見られます。
フカワン層で琥珀が採集される地層からは、約9,800万年前のジルコンが発見されており、これが琥珀の年代を裏付ける重要な証拠の一つとされています。さらに、ロンドン自然史博物館が所蔵する大型のバーマイト内包物を分析したところ、白亜紀にしか存在しない種が含まれていたことも、その年代推定を後押ししています。
バックライトをあてて撮影しました。中央の虫が、より鮮やかなシルエットとなって浮かび上がっているのがお分かりいただけるでしょうか。
琥珀は「世界最古の宝石」とも言われています。加工技術が乏しかった古代においても、ただ研磨して光にかざすだけで美しく輝いたことから、「太陽の化身」と考えられていたそうです。
現在でも世界中に熱心な琥珀ファンがおり、これほどまでに長く人々に愛され続けてきた宝石は、琥珀をおいて他にないのではないでしょうか。
バックライトをあてずに、肉眼で見るとこのように見えます。
左右22ミリほどあります。
大きさは100円玉とほぼ同じです。
約1億年前の世界を、そっとのぞいてみませんか?約1億年前の極めて古い琥珀「バーマイト」に昆虫が封入された、貴重な標本です。
価格:¥4,500
商品ID:ot4162
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Myanmar
サイズ:2.2cm×1.4cm×厚0.3cm
商品説明:約1億年前の世界が眠る・・・恐竜時代の虫入り琥珀、バーマイト(Burmite)
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