さて、こちらはなんでしょう。そうです、クモです。でも、このクモが約1億年前に生きていた可能性があると言ったら驚きますよね。これは『バーマイト』と呼ばれる極めて古い時代の琥珀で、白亜紀中期のアルビアン〜セノマニアンにかけて自生していた熱帯雨林の樹液が化石化したものと考えられています。虫が樹液に取り込まれ、そのまま化石化することがあり、この標本もその一例だと考えられています
琥珀の存在は知っていても、それが樹液の化石だとはご存じない方も多いでしょうね。最も身近な樹液といえば松脂(まつやに)です。あの独特のツーンとした匂い、山登りをする方ならよく嗅ぐのではないでしょうか。あるいは、野球をする方なら滑り止めのロジンバッグの匂いと言えばピンとくるかもしれません。ロジン(rosin)は『松脂』を意味し、松脂に炭酸カルシウムを混ぜたものがロジンバッグとして使われています。その樹液が途方も無い時間をかけて少しずつ固化し、最終的に化石になったものが琥珀なのです。後方からライトをあてると基質が煌々と輝き、まさに琥珀色を呈します。琥珀は古来より宝石として認識され、王侯貴族にも愛されてきました。
おっと、こちらにはまた別の虫の部分化石が見られますね。
こちらはどうやら足のようです。細かな部位まで明瞭に保存されています。
この標本の中には、さまざまな異なるタイプの虫が多数内包されています。よほど魅力的な樹液だったのか、それとも樹液が上から落ちてきて覆いかぶさったのか、今となっては知る由もありませんが、想像するだけでワクワクしてきますね。ちなみに、琥珀の内部に含まれる虫はとても小さい傾向にあります。これは、より大きな虫は樹液の粘性を脱することができたためと考えられます。
肉眼で見ると、先程の虫は小さな黒い点に見えます。内部を観察するには、ぜひ高倍率のルーペをお使いください。琥珀をのぞくときは、30倍以上のものをおすすめします。詳しくはコラム「化石を観察するときの、ルーペの選び方」を御覧ください。
ぜひ、このクモを探してみてください。ルーペを使って、ミクロの世界に飛び込んでみてください。
左右約23ミリほどあります。
ちょうど100円玉と同じくらいの大きさです。
価格:
商品ID:ot4052
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Myanmar
サイズ:2.3cm×1cm×厚0.4cm
商品説明:美しい!クモを始めとして様々な虫を内包した恐竜時代(白亜紀)の琥珀、バーマイト(Burmite)
この商品は売却済みです。
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