こちらは、中生代ジュラ紀の地層から採集された、マダガスカル産のアンモナイト、ペリスフィンクテス(Perisphinctes)です。突然ですが、これは“普通”の標本ではありません。なんと5kg超、直径最大部26センチに達する、普段はまず見かけないメガサイズのペリスフィンクテスなのです。
しかも保存状態は大変良好で、乳白色の最外殻の大部分が残されています。
ペリスフィンクテスといえば、この緻密で細かい肋(ろく)模様。こちらの標本にも、見事に残されていますね。
アンモナイトは進化の過程で非常に多様化し、これまでに1万種類以上が知られています。また、それぞれの化石は地層の年代を特定するのに優れており、地質学では重要な指標化石として活用されています。
こちらのペリスフィンクテスはジュラ紀の一時代(約1億5,000万年前頃)に多く見つかっており、特にマダガスカル南西部からは上質な個体が発見されています。本標本も同地域からの産出品です。マダガスカル産のペリスフィンクテスは一般的に最外殻が何らかの形で研磨されていますが、こちらの標本は研磨が最小限にとどまっており、本来の形状にほぼ近い状態です。
マダガスカル島の化石産地については、コラム「化石の宝庫、マダガスカル島の産地紹介」にまとめておりますので、ぜひご覧ください。
現生のオウムガイでは、オスとメスで殻の形や大きさが異なることが知られています。アンモナイトも同様と考えられており、大きい殻はメス、小さい殻はオスと推測されています。メスは卵を産むために体が大きくなる必要があったためと考えられています。かつては、同じ種のオスとメスの違いが別種と誤認されていた例も多かったのですが、近年では性別二形として理解されるようになりました。この観点からすると、こちらの個体はメスである可能性が高いかもしれません。
手のひらと大きさを比べると、いかに大きな個体であるかおわかりいただけることでしょう。ペリスフィンクテスは、全長10センチを超える個体ですら非常に少ないことを踏まえると、この個体の巨大さと希少性は特別ですね。
この波打つような模様を肋(ろく)と言います。その横のシダ類のような模様は縫合線と呼ばれ、最外殻を研磨すると現れます。
これは表層骨格が現れた部分で、中生代のアンモナイトの縫合線は非常に複雑であることが知られています。菊の葉に似ていることから、「菊葉模様」と呼ばれます。
開口部付近を撮影しました。現在は堆積物が充填されていますが、本来は空洞でした。アンモナイトの殻の内部は複数の小部屋に分かれており、最も外側の部屋には軟体部(本体)が収まっていました。この写真を見るだけでも、この殻の主は相当な大きさだったと容易に推測できますね。
ペリスフィンクテスは、どちらかというと「ゆる巻き型」と呼ばれ、渦巻の重なりが少なく、中心部の古い巻きがしっかりと見えるタイプです。こういったタイプはたいてい開口部が小さめで、ペリスフィンクテスも例外ではありませんが、この個体はそもそもサイズが大きいため、開口部も巨大です。
直径最大部は約26センチあります。弊社でこれまでに取り扱ったペリスフィンクテスの中でも、トップクラスに大きな標本の一つです。
100円玉との比較です。過去に類を見ない大きさを誇る、マダガスカル産ジュラ紀のアンモナイト、ペリスフィンクテスのメガサイズ標本です。
価格:
商品ID:an2613
時代:中生代ジュラ紀(1億9500万 -- 1億3500万年前)
産地:Madagascar
サイズ:直径26cm 厚9.1cm 5170g
商品説明:過去に類を見ない大きさを誇る、マダガスカル産ジュラ紀のアンモナイト、ペリスフィンクテス(Perisphinctes)のメガサイズ標本
この商品は売却済みです。
このウィンドウを閉じる