

この鋭い刃先をご覧ください……。恐竜の歯化石のコレクターなら身震いするような美しい光沢をたたえたこの標本は、米国モンタナ州パウダーリバー郡で発見された、ティラノサウルス・レックスの歯化石です。同郡に横たわるヘルクリーク累層はレックスの化石の著名産地の一つ。
圧倒的な人気を誇るティラノサウルス・レックスの歯化石は、ここ最近、世界的インフレで、ディーラーとて確保がますます難しくなっています。こちらはそんな中射止めた、極めて上質な標本です。

何と言っても、100%ナチュラル。まずこちらを強調しておきたい。通常、どのような化石でも多かれ少なかれ、リコンストラクション、つまりオリジナルの物質以外での修復が入っているものですが、まれに、このように一切に充填がないものが存在します。であれば、傷みが激しいものなのですが、こちらは、そうではありません。ほぼパーフェクトな保存状態を維持しながら、かつ、充填がないという、ごくわずか限られた逸品です。まさにコレクショングレード、一級品です。

見どころが多数あり、どこから紹介してよいのか迷うほどですが、まずご覧いただきたいのは、インナーサイドの鋸歯(ギザギザの部分セレーションともいう)です。鋸歯は獲物を切るために進化した微細な凹凸ですが、摩耗してなくなりやすい部位の代表格です。この歯化石は、ご覧のようにはっきりと、根本から先端までほぼ欠けることなく保存されています。めったに見れない美しいラインです。

そして、次にご注目いただきたいのが全体を覆うエナメル質です。エナメル質はわれわれの哺乳類の歯にも存在する、硬く薄いカバーのような組織です。化石化の過程で、分解されることなく保存されると、ご覧のように非常に美しい光沢を持ちます。近づいてみると、ナチュラルな歯化石にしか見られない、艶(つや)、皺(しわ)があり、まるで宝石のような輝きを放ちます。

しかも、それが両面ともに完全な状態で保存されているのです。こういう歯化石を、われわれは”ジェムのような”と形容しますが、実際目の前でご覧いただくと、この写真を上回る輝きを感じられるはずです。余談ですが、弊社では、画像の加工はしておりません。写真よりも実物のほうが良い、コレクターの方なら誰しもそれを望むでしょう。手にとったときの感動は、何者にも代えがたいでしょう。ぜひ、その感動を味わっていただきたいと思っています。

先程申し上げました、ナチュラルな歯化石ならではの、エナメル質の皺と艶。よい歯化石というのは、近づけば近づくほど、その味わいが増します。ぜひ、4,5倍のルーペを用いて、ご覧ください。肉眼ではわからなかった、微細で精緻なディテールに、もう一度感動を覚えることでしょう。

いかがでしょう、もはや芸術品の域ではないでしょうか。良い歯化石は良い被写体でもあります。弊社のお客様の中には写真を趣味になさっている方も多数いらっしゃいます。美しいものを見ると、自然に撮影したくなりますよね。何枚でも、どこからでも、撮影したくなる最高の被写体、それがティラノサウルス・レックスの上質歯です。眠っているマクロレンズを引き出して、ぜひ撮影にトライしてみてください。

根本から撮影しました。こちらは亜成体の歯化石ですが、十分な厚みを備えています。ティラノサウルス・レックスは、誰もがご存知のように、ティラノサウルス科の最終形態、当時の食物連鎖の頂点に君臨した、恐竜進化の一つの完成形といってもよい存在です。約6600万年前、現在のユカタン半島に巨大隕石が落下し、生態系が一変するまで存在していた最後の恐竜でもあります。

先端を高倍率のルーペを用いて撮影しました。撮影欲をここまで刺激してくれる標本もありません。これ以上は望めないほど完璧な鋸歯です。

特にインナーサイドの鋸歯の保存状態は圧巻……。ため息が漏れるほど。

肉眼でももちろん鋸歯はご覧になれますが、ぜひ、ルーペを使ってご覧ください。高倍率のものは必要ありません。4~5倍もあれば十分です。詳しくはコラム「化石を観察するときの、ルーペの選び方」をご覧ください。

下辺(ロングカーブ)を計測して約39ミリほどあります。

100円硬貨との比較です。まさにジェム、極上の保存状態を維持した、ティラノサウルス・レックスの亜成体の歯化石です。



価格:
商品ID:di1758
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:米国ヘルクリーク累層
サイズ:ロングカーブ計測3.9cm
商品説明:これ以上の保存状態は望めません……これぞジェム!極上の保存状態を維持した、ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)の亜成体の歯化石。
産地、Powder River County, Montana, U.S.A.
この商品は売却済みです。
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