更新世のうち、現世に近いおよそ2,3万年前に地球の北地を闊歩していたステップバイソンの頭部および左右の角の化石標本です。現世にもバイソンは棲息していますが、ステップバイソンは絶滅しています。
現世のヨーロッパバイソンとの決定的な違いは、角の大きさです。現世のヨーロッパバイソンの角は、成体でもおよそ30-40cm前後。一方で、古代のステップバイソンは写真の通り、なんと60cmオーバー。もう片方も50cmを超える大きさです。頭部と合わせれば、左右で1メートルを優に超える長さがあります。実物は写真をはるかに凌ぐ迫力があります。
こちらは脳を収めていた頭蓋骨の化石です。頭をぶつけ合い激しく争うバイソンの頭部だけあり、骨の分厚さは相当なもの。意外にも骨は中空で、軽量化されています。巨大な角付きの頭部を操るのに軽いに越したことはありません。
実はこの角の内部も空洞があります。強度を保ちながら軽くできていたのでしょう。とはいえ、角2本と頭部を合わせると、8000g以上の重さがあります。
直近の氷河期の生物の化石の扱いは、時代が新しいゆえの問題があります。まだ化石化しても間もないため、不安定で、崩れやすいのです。これはステップバイソンに限ったことではありません。同時期に棲息していたマンモスやケサイなどの絶滅生物の化石についても同様のことがいえます。そのため、弊社では、専用の石化液を使い、化石内部の微細な空隙を埋め、安定化を図っています。写真の状態で、十分に安定させています。
写真では分離させていますが、実際には、それぞれほぼぴったり合わさります。当然ながら一個体の標本です。それにしても頭部の大きさに対して、この角の大きさは異様な比率です。
ところで、バイソンとバッファローの違いをご存知でしょうか?現世で、バイソンが棲息しているのはアメリカとヨーロッパのみです。それぞれアメリカバイソン、ヨーロッパバイソンと言います。本標本のステップバイソンはヨーロッパバイソンの流れを汲むものと考えられていますが、絶滅種のため直接のつながりはありません。一方で、バッファローとは、東南アジア地域に生息するスイギュウを指します。両者が取り違えられるのは、アメリカでは野牛のことをバッファローと呼ぶ場合があるためです。アメリカにはスイギュウは棲息していないため、本来、バッファローと呼ぶのはおかしいのですが、呼称ですので仕方ありません。ニューヨーク州にはバッファローという都市がありますし、アメリカでは、バッファローという名称がいたるところで使われています。
話をバイソンに戻しましょう。現世のバイソンは体長350cm、体重1トンを超える巨獣です。
バイソンは草食動物ゆえ、おとなしい印象を持つかもしれませんが、非常に気性が激しいことで知られており、一度怒らせると手が付けられません。このページの下に、バイソンに関するウンチクを掲載しています。Youtubeより映像を引用していますので、その激しく戦う様を御覧ください。
こんな角でド突き合うのですから、負けても勝っても、無事ではいられないでしょう。
化石の保存状態は抜群です。欠損している箇所はほぼ無いと断言して良いでしょう。表面の状態も上々ですし、弊社で表面に保護剤を丁寧に塗布していますので、状態は安定しています。
角にはご覧のように深い凹凸があります。
先端にかけて鋭くカーブしています。角の本来の方向は写真とは上下が逆で、上に突き上がっています。
保存状態をじっくりご覧ください。
直線計測でも50cmを優に超える大きさ。
左右の角をジョイントする頭蓋骨の化石。
現世のバイソンの角とは比較にならないステップバイソンの角の化石です。すでに絶滅したとはいえ、一度実物をこの目で見てみたかったですね。
100円玉との比較。どこに100円玉があるかお分かりでしょうか?写真の右下にあります。写真の状態で左右1メートルを大きく超える長さがあります。絶滅種ステップバイソンの成体の角2本と頭部の完品化石です。
価格:
商品ID:ot1210
時代:新生代(6600万年前 -- 現在)
産地:Russia
サイズ:角部分(カーブ計測)63.5cm 52.5cm / 真ん中部分(直線距離)幅30.2cm×奥行18cm×高19.5cm /3点展示(約)幅120cm×20cm×20cm 8125g
商品説明:氷河期の北地を闊歩していた絶滅種ステップバイソンの頭部と巨大角2本の完品化石。更新世のうち、現世に近いおよそ2,3万年前に地球の北地を闊歩していたステップバイソンの頭部および左右の角の化石標本です。
この商品は売却済みです。
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