

こちらは国産(鳥取県米子市・深浦周辺)のアメシスト(紫水晶)。海外産が主流の中、国産でまとまった標本として出会える機会は多くありません。

米子市深浦の紫水晶は、文献掲載や“幻の産地”として言及されることがある産地です。産地名がはっきりした国産標本は、それ自体がコレクション性になります。

地質調査所の資料でも、(当地域の産状として)紫水晶は多産ではなく、採集が困難といった趣旨が記されています。今後さらに市場で見かけにくくなる可能性が高い、希少な国産標本です。実物を手にとると上部がキラキラと輝き、上品な輝きを見せてくれます。

国産紫水晶は、一般に濃紫一色というより、淡い藤色〜乳白色〜無色が同居する帯状・層状の表情が特徴です。一般的に流通するブラジル産とは明らかに趣が異なり、落ち着いた美しさを楽しめます。

手に取ると、340グラムオーバーのずっしりした重みが伝わります。石英(クォーツ)の一種であるアメシストは、鉄などの不純物を含む石英が紫に発色したものです。宝石として知られていますが、鉱物コレクターにとっては、このような剣山状に結晶が林立するクラスター標本こそが、本来の魅力でしょう。

産状については、(米子市深浦の記録として)火山岩中の石英脈由来と伝えられる例があります。脈・空隙に育った結晶が集合するため、母岩付き標本としての見応えが出やすいタイプです。
アメシストの生成過程についてはコラム「アメシストは、どのようにして火成岩の中で育つのか」をご覧ください。

結晶群の下部には火成岩の母岩が残り、産状が視覚的にも分かりやすい点は、標本として大きな魅力です。

こちらは裏面です。

左右約11センチほどのサイズ感。“産地を語れる国産標本”はラベル価値が高く、とくに米子周辺の紫水晶は資料上でも採集難が示唆されています。「次に同産地で揃う保証がない」点こそ、本標本の大きな強みです。

この角度で安定展示できます。国産アメシストの魅力は、日本の地質が育てた淡い紫の品の良さにあります。海外産とは別のベクトルで心に残る、通好みのクラスター標本です。

価格:
商品ID:ot4358
時代:Unknown
産地:鳥取県 日本
サイズ:11.4cm×5.4cm×厚4.9cm 348g
商品説明:海外産とは異なる“品の良い淡紫”、鳥取県米子市産アメシスト(Amethyst)のクラスター標本
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