

こちらは、モロッコの白亜紀の地層から発見された、エイ(軟骨魚類)の仲間、オンコプリステスの歯化石です。オンコプリステスは、現生のノコギリエイに似た姿をした魚類で、前方に長く伸びた吻(ふん)に、このような歯を多数生やした、非常に特徴的な外観をもっていました。その吻を振り回して獲物を引っ掛け、捕食していたと考えられています。

先端には逆方向に伸びたフックがあり、まるで釣り針の“返し”のような形をしています。獲物をしっかり引っ掛けるために進化した、非常に特徴的な部位です。

オンコプリステスという名前は、ギリシャ語で「棘を持つノコギリの魚」という意味を持ち、まさにこの特徴的な部位から名づけられました。軟骨魚類なので、体骨はほとんど化石として残らず、現代にはこうした歯化石だけが伝わっています。
1905年の発見当初は分類が不明でしたが、スピノサウルスの化石を最初に記載したドイツの古生物学者、エルンスト・ストローマーによって、1917年に新属としてオンコプリステス属が提唱され、現在の学名が定まりました。

歯を見れば食性が分かるといいますが、まさに「対魚類最終兵器」のような形をしています。

1億年近くの時を経た今でも、その鋭さは失われていません。

吻部に付着していた根元の部分は、やや幅広くなっています。

根本の断面を撮影しました。

写真下側の縁(ロングカーブ)を計測すると、約54ミリあります。平均よりもやや大きめの個体です。

100円硬貨との比較写真です。こちらは、古代のノコギリエイの仲間・オンコプリステスの特徴的な歯化石です。

特徴的な吻部を持つ、オンコプリステスの復元イラストです。


価格:¥7,800
商品ID:ot4302
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Kem Kem basin, Morocco
サイズ:ロングカーブ計測5.4cm
商品説明:鋭いフックが1億年を経ても健在!古代のノコギリエイの仲間、オンコプリステス(Onchopristis)の特徴的な歯化石
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