こちらは白亜紀後期の海洋における食物連鎖の頂点に君臨していた海棲爬虫類、モササウルスの歯化石です。モササウルスは18世紀末、オランダ・マーストリヒト近郊のチョーク採石場で頭骨が発見されたことで初めてその存在が知られるようになりました。当初はワニやクジラと誤解されていましたが、19世紀初頭に自然科学者ジョルジュ・キュヴィエが、現生のどの生物とも異なる巨大な海棲トカゲであると結論づけました。これは、モササウルスが絶滅し、現生の生物とは系統的に縁が切れていることを示したという点で、当時としては画期的な主張でした。
ちなみに、学名(属名)のモササウルスはその後間もなく名付けられたもので、発見現場に近い「モサ川」にちなんでいます。
ご覧のように、歯冠のエナメル質の大部分が保存されており、表面には美しい模様が残されています。
接写してみました。
ご覧のように、ボリュームのあるフォルムで、確かな存在感があります。
歯には稜線があり、鋭く尖っています。ただし、鋸歯(きょし、ギザギザの部分のことで、セレーションともいいます)は存在しません。モササウルスの歯には、獲物を切るというより噛み砕くように進化した特徴が感じられます。
両面ともに同程度に状態が良いです。
今では信じられないことに、19世紀前半から中頃にかけて、科学者たちはモササウルスを「水陸両生」の海棲爬虫類だと考えていました。ミズーリ州で発見されたモササウルスの特徴から、背骨が柔軟で歩行が可能であり、指骨が爪のように見えることから、陸上を歩けたのではないかと考えられたようです。しかし、19世紀中頃以降しばらくして、この見解は覆され、モササウルスの手足は完全に水中生活に適応したヒレ状であることが判明しました。
根元の断面を撮影しました。周長は66ミリもある、非常に太い歯化石です。
写真の上辺を計測したところ、約44ミリありました。
100円玉との比較です。形の良い歯冠がほぼ無傷で保存されている、とても状態の良いモササウルスの歯化石です。
価格:¥4,800
商品ID:ot4184
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Morocco
サイズ:ロングカーブ計測4.4cm 周長6.6cm
商品説明:形の良い歯冠がほぼ無傷で保存された、とても状態の良いモササウルス(Mosasaurus)の歯化石
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