こちらは、クモのような節足動物を内包したバーマイトです。バーマイトとは、ミャンマー北部のフカワン渓谷でのみ採集される、約1億年前の極めて古い琥珀です。
琥珀とは、もともと樹液だったものが、長い年月をかけて樹脂化し、固くなったものです。その化石化の過程で虫などを内包することがあります。バーマイトは、世界中の琥珀と比べても多種多様な内包物を含んでおり、一説によると、属レベルで1,000種類を優に超えるとも言われています。
さらに注目すべき点は、これらの内包物の年代が白亜紀中期、約1億年前のものであるということです。つまり、この写真の虫は、恐竜が大地を闊歩していた時代と同時期に生きていた可能性が高いのです。
なぜ、この琥珀が約1億年前に形成されたといえるのでしょうか。
その根拠はいくつか指摘されています。まず、フカワン渓谷の琥珀が採れる地層から、約9,800万年前のジルコンが発見されていることです。この年代は放射性同位体年代測定によって判明しています。詳しくはColumn「なぜ生物が生きていた年代が分かるのか -放射線同位体測定法-」をご覧ください。
また、ロンドン自然史博物館所蔵のバーマイトの内包物の分析により、白亜紀にしか存在しない物体が発見されたことも、形成年代を特定する根拠の一つとされています。
バーマイトが多種多様な内包物を含む要因の一つに、当時の環境が「熱帯雨林」に近かったことがあります。この森は河川、湖、ラグーン、湾などに囲まれ、動植物が豊富に生息できる環境だったと考えられています。また、河川や海が近いとされる理由の一つに、琥珀の内部にアンモナイトや甲殻類など、海や汽水域に生息していた生物が含まれていたことが挙げられています。
非常に長い脚を持つ節足動物のようです。
こちらは、どうやら昆虫の脚の一部のようです。周囲に主(あるじ)の姿は見当たりませんでした。
高倍率のルーペでのぞくと、肉眼では気づかなかった小さな植物片などが多数見られます。30倍以上の高倍率ルーペをお使いください。一度琥珀の内部を探検すれば、もうルーペが手放せなくなるでしょう。こんなミクロな世界にも冒険が広がっていたのだと、きっと気づかされるはずです。
こちらにも、特徴的な内包物が見られます。
ルーペを使うときは、明るい光源も利用すると、さらに見やすくなります。倍率が高くなるほどルーペの視野は暗く狭くなるため、バックライトとの併用をおすすめします。
肉眼でも、冒頭の節足動物の痕跡をはっきりと見ることができます。
脚と思われる部位には、毛のようなものが多数見られます。
左右の幅は約19ミリです。
100円玉とほぼ同じ大きさです。
価格:¥4,500
商品ID:ot4161
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Myanmar
サイズ:1.9cm×1cm×厚0.3cm
商品説明:クモのような節足動物が内包された「恐竜時代の琥珀」バーマイト(Burmite)
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