こちらは、ブラジル東北部セアラ州で採集された、約1億年前の古代魚「タリアス・アラリピス」です。ネガとポジの両方が揃っており、しかも驚くほど保存状態の良い逸品です。この地域からは状態の良い標本が産出しますが、このレベルのものは、さすがに滅多に見られません。
この地域には、「サンタナ層」と呼ばれる白亜紀の地層が広がっており、当時は川と海が混じり合った、いわゆる汽水域だったと考えられています。汽水域を縄張りとする魚をはじめ、なんと恐竜などの化石も発見されているそうですが、私はサンタナ産の恐竜の化石を実際に見たことはありません。ちなみに現在では、ブラジルから外国への化石の輸出は行われていないため、新たな化石の入手はできません。このような標本は、数十年前に輸入が可能だった時期に日本に入ってきた、「オールドコレクション」にあたります。
タリアスは、現生の魚と直接のつながりを持たない、絶滅した古代魚です。いったい、どのような生態だったのでしょうか。別の標本では、胃のあたりから甲殻類の化石が見つかっており、積極的なハンターだったという説もあります。
サンタナ層は、世界的に見ても極めて良質な化石を産出する地層として知られています。おそらく、腐敗がほとんど進まない特別な環境だったのでしょう。ご覧の通り、細かな鱗がほぼ全体にわたって保存されており、触れるとその凹凸が感じられるほど、精緻な状態で残されています。
尾びれはわずかに切れています。
「ノジュール」と呼ばれる炭酸カルシウムの外皮に守られていたことが、これほどの保存状態につながったのでしょう。
ノジュールとは、遺骸のまわりに炭酸カルシウムが固着してできた、丸い石のことです。ハンマーなどで割ると、中から化石本体が現れることがありますが、何も出てこないことも少なくありません。
ネガ・ポジ両面に、鱗が保存されています。
脊椎骨も、はっきりと確認できます。
典型的なノジュールで、両面がぴったりと合わさります。
母岩を合わせると、左右で30センチもあります。本体も27センチという、かなりの大型サイズです。
100円玉との比較です。保存状態が非常に良く、サイズも十分で、さらにノジュールに包まれたネガ・ポジ両面が揃った、まれに見る良質なタリアス・アラリピスの全身化石です。
価格:
商品ID:ot4107
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Ceara, Brazil
サイズ:本体直線計測28cm 母岩含め全体30cm×13.1cm×厚8.6cm
商品説明:約1億年前の絶滅古代魚!保存状態に優れ、サイズもあり、しかもノジュールでネガポジ揃った、まれに見る良質のタリアス・アラリピス(Tharrhias araripis)の全身化石
この商品は売却済みです。
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