こちらは、白亜紀後期から最末期にかけて生息していた海棲爬虫類、モササウルスの歯根付きの歯化石です。「歯根」とは、歯茎の内部に埋まっていた部分を指します。写真の下部にある乳白色の部分がそれにあたります。
モササウルスは、狭義(属レベル)では5種類程度、広義(科レベル)では数十種にも及びます。かつては属レベルで数十種が存在しているとされていましたが、2010年代後半に分類の整理が進められました。
モササウルスの化石は世界中から発見されており、当時、広範な海域に生息していたと考えられています。海洋の食物連鎖の頂点に君臨していたとされ、魚類やアンモナイト、イカなどを主に捕食していたと考えられています。
また、同じモササウルスを捕食していたと見られる痕跡もあり、共食いをしていた可能性も指摘されています。
左側が歯冠です。通常、歯化石はこの歯冠部分のみが残った標本が大半を占めます。
根本部分を撮影しました。モササウルスには4種類の歯があり、前歯(前上顎骨歯)、上顎奥歯、口蓋骨の歯、そして下顎歯が存在します。特徴的なのは、上顎の内側にある口蓋骨に、2列の歯列が備わっていることです。
私たちヒトには口蓋骨に歯はありませんが、一部のモササウルスには、獲物をいったん飲み込んだ後に逃がさないための「ハンター仕様」の口蓋骨歯が存在していたと考えられています。
また、モササウルスの歯は顎の骨に深く固定されていますが、古くなると自然に抜け落ち、新たな歯が生えてくる、いわゆる「デンタルバッテリー」構造を備えていました。
全体の直線計測で約4センチ前後です。モササウルスの歯の成長速度についても研究があり、歯の形成には約1年半かかっていたと推定されています。その後、使用されて傷んでくると、生え変わっていたのでしょう。
100円玉との比較写真です。珍しく歯根まで保存されたモササウルスの歯化石です。
価格:¥3,200
商品ID:ot4075
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Morocco
サイズ:ロングカーブ計測5.1cm
商品説明:珍しい歯根が保存されたモササウルス(Mosasaurus)の歯化石
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