

確かに、トリケラトプスの歯化石は、珍しいものではありません。ヘルクリーク累層の中では、比較的よく目にするアイテムです。もちろん、Wルート(歯根が根元で2方向に分かれて保存されたタイプ)や、先端までよく保存されたものは極めて希少です。とはいえ、シェッドティース(摩耗した歯化石)であれば、やはりよく見る部類でしょう。
では、この標本はどうかといえば、どう冷静に見ても驚かざるを得ない、明らかに”普通”とはいえない、極めてレアな標本です。なぜなら、ほぼ先端まで残された状態の良い歯化石が、顎骨に付属した状態だからです。これまで多数のトリケラトプスの歯化石を見てきましたが、このパターンは初めてです。顎骨といっても小さなものではなく、ソケット部が明瞭に保存された、むしろ、顎骨のほうが主役なんじゃないか、と思うほどの素晴らしい化石です。

歯化石の部分だけ取り外すことが可能です。ご覧のように、摩耗が少なく、本来の形状を大部分残した希少な歯化石です。節だった稜線がよく残されている点にご注目ください。顎骨との接着は粘土で行います。

顎骨に残されたくびれはまさに、歯ごとの通り道。いわゆるデンタルバッテリーと言われる、何度も歯が生え変わるラインを感じさせる、非常に興味深い形をしています。誰もが知るトリケラトプス。その内側に隠れていた姿を垣間見たようで、静かな興奮を覚えます。手に取ると、見た目以上に顎骨の重みが感じられます。

この標本の白眉は、顎骨に見られる深い溝(ソケット)です。トリケラトプスの顎には、一列に複数本の歯が垂直にストックされており、それが何列も並んでいました。この標本の表面に見える縦方向の畝(うね)こそが、次世代の歯を待機させていた「バッテリー」の証左です。バラバラになりやすい顎の組織が、これほど形状を保って化石化するのは極めて稀です。

ところどころ、内部が露出した表面が見えます。骨の多孔質な質感からは、かつてここを血流が巡っていた生々しささえ感じられます。

この歯化石だけ取り上げても、見どころが満載、素晴らしい標本です。一般的な標本では、先端が摩耗しているため見分けがつきにくい、中央の隆起(リッジ)やエナメルの質感が見事に残っています。

厚みがあり、360度見回す楽しみがあります。

こちらは顎骨と接していた根本の断面です。中央付近には、特有のスポンジ状の構造が見られます。非常に長い時間をかけて、有機質が鉱物へと置き換わる置換作用が行われた結果でしょう。

こちらは顎の表側です。各部に小さな孔が見られます。この部位だけでも、大変希少なのですが……

裏返してみると、ソケットの畝が明瞭に残されている。これは、化石コレクターにとっては、嬉しい誤算、サプライズです。左右約86ミリほどあります。歯化石は2センチほどです。ソケットと歯化石をセットする粘土を一緒にお渡しします。写真は、粘土で歯化石をソケットに取り付けた状態です。

100円硬貨との比較です。ヘビーコレクターの方ほどこの興奮、驚きをご理解いただけるのではないでしょうか。ソケットの畝、ラインが明確に残されたデンタルバッテリーを、この手で感じられる、希少な化石です。トリケラトプスの化石コレクターだけでなく、恐竜歯化石の構造に興味のある方にも強くおすすめできる、まさに一期一会のレアものです。

白亜紀最末期の北米を代表する恐竜、トリケラトプスの復元イラストです。



価格:
商品ID:di1792
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Hell Creek Formation, Dawson County, Montana, U.S.A.
サイズ:アゴ部分8.6cm×5.7cm×厚4.1cm 歯化石(直線距離)2.1cm×1.7cm×1.4cm
商品説明:一期一会のレアもの……デンタルバッテリーを体現、同一現場から発見された、米国ヘルクリーク累層トリケラトプス(Triceratops horridus)の顎骨付き歯化石。
顎骨の部分化石がついたトリケラトプスの歯化石です。歯化石は取り外しができます。写真は歯化石を粘土で固定しています。
この商品は売却済みです。
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