

本標本は、北米白亜紀後期を代表する角竜類 Triceratops horridus の、エポキシピタル(Epoccipital)と呼ばれる装飾骨の化石です。
エポキシピタルは、トリケラトプスの大きなフリル(頭盾)の外縁部に並んでいた皮骨で、恐竜の頭部外観を特徴づける重要な要素のひとつです。日本では「フリルスパイク」と呼ばれることもあります。
エポキシピタルが何のために存在していたのかについては、現在の古生物学でもひとつに断定されていませんが、フリルの輪郭を強調し、シルエットをより大きく、複雑に見せることで、同種内での識別(成体・性成熟のアピール)や、捕食者に対する威嚇効果を担っていた可能性が指摘されています。
位置については、このページ下部に掲載したイラストをご参照ください。

エポキシピタルは、角竜類に特有の構造で、フリルの縁に沿って数多く配置されていました。トリケラトプスの場合、スパイク状には発達せず、短く厚みのある独特な形状を示すのが特徴で、本標本もその典型的なプロポーションを備えています。

表面には多孔質でスポンジ状の骨組織が良好に保存されており、恐竜の皮骨(dermal bone)特有の質感を肉眼でも確認することができます。歯や爪化石とは明確に異なる構造で、骨化石としての説得力があります。

産地はアメリカ合衆国モンタナ州ファロン郡。ここは、トリケラトプスをはじめとする白亜紀末期の恐竜化石が豊富に産出する地域として知られ、産地情報と化石内容の整合性が非常に高い標本です。

本標本の形状は、スティラコサウルス類のような鋭いスパイク状装飾とは異なり、トリケラトプス特有の、鈍く厚みのあるフリル装飾骨の特徴を明確に示しています。そのため、属レベルでの同定にも無理がありません。

図鑑や復元図で描かれる、あのフリル外縁の装飾部位が、実際にこうして化石として現存しています。

三角形に近い形状が良好に残っており、エッジや表面構造など、細部のディテールまで明瞭に確認できます。

エポキシピタルは、歯化石や爪化石と比べると市場での流通量が少なく、希少価値が高い部位です。

単体標本でありながら、フリルとの接合面と考えられる平坦部や外縁部の形状が確認でき、実際に巨大な頭部を構成していた一部であることを強く実感できる化石です。

本標本のサイズは全長約7cm弱。これはトリケラトプスのエポキシピタルとして非常に標準的な大きさで、成体、あるいはそれに近い亜成体個体に由来すると考えられます。過度に小さすぎたり大型すぎたりしない、実在感のあるサイズ感です。

100円硬貨との比較です。約6,600万年前、北米大陸を闊歩していた巨大草食恐竜トリケラトプス。その迫力ある頭部を縁取っていた、フリル装飾骨の実物化石を、ぜひコレクションの一角にお迎えください。

エポキシピタルの位置をイラストで示しています。フリルの外縁に並び、頭部のシルエットをより大きく、印象的に見せる役割を担っていた部位です。


価格:
商品ID:di1775
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Fallon County, Montana, U.S.A.
サイズ:6.6cm×2.4cm×厚2.2cm
商品説明:あのフリルの外縁を覆っている装飾部位、トリケラトプス(Triceratops horridus)のエポキシピタル(フリルスパイク)の化石
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