

こちらは、テスケロサウルス・ネグレクタスの歯化石です。テスケロサウルス……この知る人ぞ知るマニアックな名前は、ギリシャ語で「驚くべきトカゲ」を意味します。模式種の種小名ネグレクタスは、ラテン語で「見落とされた」「長く放置された」の意味があります。なぜこのような名前がついたのか、深い理由があります。
この恐竜が最初に発見されたのは19世紀末。米国ワイオミング州ランス層で小型のほぼ全身骨格が見つかり、スミソニアン博物館に収蔵されました。しかし長く木箱に収められたまま、ラベルさえ付けられずに放置されていました。それから約22年後の1913年、チャールズ・W・ギルモアが新種と認識し、テスケロサウルス・ネグレクタスと命名したのです。まさに名前どおり、長く見落とされてきた“驚くべき恐竜”でした。

1915年になると精緻な骨格が記載され、復元図なども作られました。それによれば体長は3メートル以上、体重は200〜300kgほどと考えられています。現生のヒグマほどの大きさですが、白亜紀最末期のマーストリヒト期においては、決して大型の恐竜ではありませんでした。体の約半分は長い尾で、くちばし状の口器を持っていました。上顎前方には小さな歯が数本あり、その一部が本標本のような歯化石になります。
口はすぼめたような狭い形をしており、固い植物を砕いて食べていたと考えられています。

テスケロサウルスの歯は非常に小さく、単体の化石として発見されることはきわめて稀です。同時期・同地域にはティラノサウルス・レックスやトリケラトプス・ホリダスといった巨大恐竜が生息しており、テスケロサウルスはそれらスター恐竜の陰で独自の「ニッチ」を担っていた小型草食恐竜でした。
小型鳥脚類の多くは中生代中期までに姿を消しましたが、テスケロサウルスは恐竜絶滅直前まで生き残っていた希少グループです。当時の生態系に、小型草食恐竜が依然として多様に存在していた貴重な証拠ともいえる標本です。

直線計測約6ミリと小ぶりですが、テスケロサウルスの歯化石としては標準的なサイズです。形状も明瞭で、標本としての保存状態は良好です。

100円硬貨との比較です。小さいながら、その希少価値は非常に高い標本です。白亜紀最末期を生きたレア恐竜・テスケロサウルスの、保存状態良好な歯化石をご紹介します。

テスケロサウルスの復元図です。


価格:¥23,000
商品ID:di1773
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Hell Creek Formation, Carter County, Montana, U.S.A.
サイズ:直線距離0.6cm
商品説明:小さいながら、その希少価値は際立つ!白亜紀末期のレア恐竜・テスケロサウルス(Thescelosaurus)、保存状態良好の歯化石
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