

「やっぱり、大きなスピノの歯っていいよね……」
写真を撮影しながら、思わずつぶやいた一言。
被写体としての迫力はもちろん、史上最大級の獣脚類・スピノサウルスのスケールを、直感的に味わえる。
長さ・周囲ともに8センチを超えるこの個体だからこそ味わえる、圧倒的な存在感があります。

スピノサウルスといえば、約1億年前の北アフリカに生息した頂点捕食者です。1912年にエジプトで最初の化石が発見されて以来、長らく謎の多い生物でしたが、21世紀に入ってから良質な化石が相次いで発見され、さまざまな新知見が明らかになってきました。
かつては陸上生活をしていたと考えられていましたが、現在では水陸両生、むしろ水中生活に適応していたという説が有力です。そう、現生のワニに近い生活スタイルを持っていたと考えられるようになったのです。
また、骨密度が非常に高いことが分かり、陸上生活には不向きだったとされています。主に魚を、この太く長い歯で突き刺して捕食していたと考えられています。さらに、水辺に近づく恐竜などの陸生動物さえも構わず喰らいついた……まさに食物連鎖の頂点に君臨していた生物だったのです。

この太い歯化石にしかない、独特の迫力……写真から伝わりますでしょうか。表面のエナメル質も多くの部分で残っており、特徴的な縦方向の線状痕がはっきりと確認できます。

テントを張るときのペグを、さらに太くしたような……そんな重厚感のある標本です。

通常サイズのスピノサウルスの歯化石からすると、驚くほど太く長く、そして威厳があります。

ぜひ、こうして手に乗せてみてください。たった1本の歯化石が、これほどまでにずっしりと重たいことに、きっと驚かれることでしょう。

モロッコ南東部のケムケム層には、白亜紀後期のデルタ地帯(汽水域)に生息していた生物たちが眠る地層が広がっています。ケムケム層の位置は、コラム「モロッコ5大化石産地をご紹介:時を超えた自然の遺産」でご確認ください。

根本の周囲は83ミリと、全体の長さとほぼ同じ。ロング&シック……まさに“王者の歯化石”というべき風格を備えています。

スピノサウルスは、このような太く力強い歯が、上下のあごに何本も並んでいました。この歯の持ち主は、おそらく相当な高齢で、その地域の“主(ぬし)”のような存在だったことでしょう。爬虫類は私たち人間とは異なり、年齢を重ねるほど巨大化していく傾向があります。

ロングカーブ(長辺)を計測して約84ミリもある、ビッグサイズの歯化石です。

100円硬貨との比較です。
まるで砲弾のような圧倒的な迫力を放つ、長く、そして分厚いスピノサウルスの歯化石。かつては、巨大なスピノサウルスの口内に並んでいた1本だったことでしょう。


価格:¥46,000
商品ID:di1746
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Morocco
サイズ:ロングカーブ計測8.4cm 周長8.3cm
商品説明:ロング&シック!まるで砲弾のような圧倒的迫力……長く、そして分厚いスピノサウルス(Spinosaurus)の歯化石
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