

こちらは、恐竜化石コレクター垂涎の逸品……ティラノサウルス・レックスのハンドクロウ(手の爪)の化石です。幼体個体のものと見られ、決して大きくはありませんが、ご覧のとおり保存状態は極めて上質で、まさに完璧と言ってよいでしょう。全形がしっかりと残り、血抜き溝(ブラッドグルーブ)も明瞭に確認できる、美しい標本です。
ティラノサウルス・レックスは白亜紀後期(約7270万〜6600万年前)、北アメリカ西部のララミディアと呼ばれる島大陸に生息していたため、産地は限られています。本標本はその主要産地の一つ、アメリカ・モンタナ州のヘルクリーク累層から産出したものです。
レックスはティラノサウルス科の系譜における最終進化型であり、最も大きく、最も進化した存在です。約6600万年前、現在のユカタン半島に落下したとされる巨大隕石の衝突により絶滅した、“最後の恐竜”の一つでもあります。

見る者を魅了する、芸術品のような美しい佇まい……。

爪は、正確にいえば「末節骨」と呼ばれる骨の一部です。生息時には、その表面をケラチンという硬いタンパク質からなる爪鞘が覆っていましたが、ケラチンなどの有機物は化石としては非常に保存されにくいため、通常は残りません。

この中央部の溝は「血抜き溝(ブラッドグルーブ)」と呼ばれ、神経や血管が通っていた溝だと考えられています。また、獲物に突き刺した際に、内部の圧力をある程度逃がす役割があった可能性もあります。
爪(末節骨)は、1個体の中でも限られた部位にしか存在せず、いったん折損すると再生しない希少な部分です。そのため、化石としても非常に数が少なく、ティラノサウルス・レックスの化石の中でも、特に希少な部位としてコレクターの間で非常に高い人気を博しています。

反対側からもご覧いただきましょう。こちらの面も、欠損した箇所がなく、血抜き溝が明瞭に保存され、見事な保存状態を維持しています。

爪の化石の多くは、表面に小さな孔が見られます。いわゆるスポンジ状構造と呼ばれるもので、強度を保ちながら、軽量化をはかり、折れにくくする効果もあったのではないか推察されます。

ティラノサウルス・レックスのハンドクロウは、根元部分が強く膨らんでいます。特に下部(地面側)の膨らみが顕著です。

通常、ティラノサウルス・レックスのクロウはレプリカでしか入手できませんが、まれにこのように、本物の標本が登場することがあります。弊社でも、めったに取り扱いはありません。

中節骨との接触部である根元を撮影しました。内部にはスポンジ状(多孔質)構造が確認できます。

写真上部のロングカーブ(長い方の辺)に沿って、約58ミリあります。

100円硬貨との比較写真です。恐竜化石コレクターの憧れの的……ティラノサウルス・レックスの幼体のハンドクロウです。全形が保存された上質標本です。



価格:
商品ID:di1728
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:米国ヘルクリーク累層
サイズ:カーブ計測5.8cm
商品説明:ついに登場!恐竜化石コレクターの憧れの的、ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)の幼体のハンドクロウ。Hell Creek Formation, Montana, U.S.A.
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