

トリケラトプスの化石のコレクターなら、歯・ホーン・フリル、この“三種の神器”はぜひ揃えたいところですよね。こちらは、そのピースのひとつにはまる、見事な標本……まさにマスターピース(傑作品)と呼ぶにふさわしい逸品です。
まず注目すべきは、黒い部分の歯冠が先端まで完全に残されている点。これが本当に希少なのです。というのも、トリケラトプスは植物を食べる際、上下の歯をすり合わせて粉砕します。その際に、どうしても歯同士が擦れ合い、徐々に平坦になっていくのです。
ところが、まれにこうした摩耗のない歯冠が残された標本が存在します。いったい、なぜこんな標本が存在し得るのでしょうか。
おそらくこれは、実際に使われる直前……つまり“未使用”の状態だった可能性がきわめて高いと考えられます。
恐竜の歯は「デンタルバッテリー構造」と呼ばれ、摩耗すると自然に抜け、すぐ奥から次の歯が生えてくる仕組みを持っています。我々哺乳類は、乳歯が抜けて大人の歯になると、もう二度と生え変わることはありません。その点で、恐竜はまったく異なる歯の仕組みを持っていたのです。
歯冠がまるごと残っているということが、いかに珍しく、そして特別であるか……この標本の価値を、少しでも感じ取っていただけたなら幸いです。なお、アメリカ合衆国サウスダコタ州ビュート郡で採集されたことも明瞭に記録に残っています。

歯冠をよくご覧いただけるよう、クローズアップで撮影しました。この黒い部分が歯冠です。歯冠とは、歯茎の上に露出していた部分であり、やや茶褐色の部分は歯根です。歯根は歯茎の内部に収まっており、顎骨とつながって歯冠をしっかりと支えていた、いわば“土台”の役割を果たしていました。

しかも、さらに珍しいのが、歯根が2つに分かれている点です。これは「ダブルルート」と呼ばれ、コレクター間では大変価値の高いものとして評価されています。
本来、歯根は2つに分かれているのですが、長い堆積期間を経る中で、大半の化石ではこの特徴が失われてしまいます。
今回の標本は、歯冠が先端までしっかりと残っており、しかもダブルルートまで維持されている。どちらか一方だけでも価値のある特徴ですが、それが両方揃っているのですから、まさにマスターピースと呼ぶにふさわしい逸品です。

また、歯冠の立体的な特徴もよく残されています。ご覧のとおり、歯冠には稜線があり、先端が鋭く尖っています。

こちらは裏側のトップ部分です。さらに近づいて見ていきましょう。歯冠の先端周辺には、細かいシワのような構造が見られます。肉食恐竜の鋸歯ほどギザギザではないものの、明瞭な凹凸が確認できます。
これは、先端まで残された標本でしか観察できない貴重なディテールです。ぜひ、5倍程度のルーペを使って、先端の状態をご確認ください。

歯根を撮影してみました。一般的なトリケラトプスの歯化石とは比較にならない太さです。

左右約34ミリほどあります。非常に分厚く、迫力のある歯化石です。

100円硬貨との比較写真です。パーフェクトな歯冠に、ダブルルートを備えた極上の標本。トリケラトプスの化石コレクターなら、一生モノの宝物となり得る、まさに至極の逸品です。



価格:
商品ID:di1705
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:米国ヘルクリーク累層
サイズ:3.4cm×2.5cm×1.9cm
商品説明:ビッグサイズ! パーフェクトな歯冠に、ダブルルートを備えた至極の逸品!トリケラトプス(Triceratops)の極上歯化石。Buttey County, South Dakota,U.S.A.
この商品は売却済みです。
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