

こちらは、セミ・フライングフィニッシュが施されたモロッコ産三葉虫、クロタロセファルス・ギブスです。大部分が母岩から立体的に浮き上がった、ダイナミックな仕上がりが魅力です。

三葉虫コレクターの間で「クロタロ」の愛称で親しまれている本種は、シルル紀後期からデボン紀前期にかけて生息していたグループに属します。主に温暖な浅海域に棲息していたと考えられています。

前方に突き出した大きな頭鞍部と、つぶらな複眼、そしてキャタピラーのような立体感のあるフォルムが特徴です。

尾部は丸まり、エンロール姿勢をとっています。

本標本は、モロッコ・アンチアトラス山脈のルハンダル層(アッチャナ)から採集されたものです。同地域は、デボン紀三葉虫の主要産地のひとつとして知られています。

アンチアトラス山脈とは、モロッコ南部に広がる古期造山帯で、アトラス山脈の南側に連なっています。最下部にはカンブリア紀の地層があり、その上にオルドビス紀からデボン紀にかけての堆積岩が広く分布しています。
当時、この地域はゴンドワナ大陸の北縁部、古赤道付近に位置しており、温暖で浅い海が広がっていました。そこで三葉虫、腕足類、サンゴなど多様な海棲無脊椎動物が繁栄していました。
現在、この山地から海洋生物である三葉虫が発見されるのは、こうした古環境によるものです。

胴部は多数の環節から構成され、側棘もよく発達しています。防御に適した形態です。

裏面ご覧いただきましょう。母岩は安定的に台座の役割を果たしてくれます。

母岩は小ぶりですが、この状態で安定します。本体の背面弧長は約115ミリあり、立派な個体です。

100円硬貨との比較です。本体の大部分が母岩から立体的に浮き上がった、セミ・フライングフィニッシュタイプのクロタロセファルス・ギブスです。

価格:¥19,800
商品ID:tr1360
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Lhandar Formation, Atchana, Morocco
サイズ:本体カーブ計測11.5cm 母岩含め全体5.5cm×4.5cm×高5.8cm
商品説明:セミ・フライングフィニッシュ!ダイナミックなポーズが魅力的な三葉虫、クロタロセファルス・ギブス(Crotalocephalus gibbus)
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