

こちらは古生代デボン紀中期の三葉虫、コルヌプロエタス(Cornuproetus)です。左右に大きく伸びたウィングのような頬棘が特徴です。

某ステルス機を思わせる独特のフォルムが特徴で、盛り上がった頭鞍部と中央軸に対し、翼のように左右へ広がる頬棘が印象的な三葉虫です。属名の「コルヌプロエタス(Cornuproetus)」の“コルヌ(cornu)”はラテン語で「角」を意味し、この長く伸びた頬棘を指しているものと思われます。

こちらの標本は、モロッコの専門工房のベテラン・プリパレーターの手によって、丁寧に仕上げられた逸品です。全体の形状が美しく刳り抜かれ、細部の凹凸に至るまで精緻に表現されています。通常の標本とは一線を画す仕上がりで、もはや「作品」と呼ぶにふさわしい上質な化石です。

コルヌプロエタスは、尾部をやや丸めた「セミエンロール体勢」をとった標本が多く見つかります。コルヌプロエタスが生きたデボン紀後期は、強い咬合力をもつ魚類が出現し、三葉虫にとっては決して牧歌的とは言えない時代でした。そうした環境に呼応するように、鋭い棘を発達させた属が現れ、防御能力を高めていったと考えられます。あるいはこれらの棘は、海底で容易に砂地に沈み込まないための工夫だったのかもしれません。

尾部から撮影したカットです。左右対称の美しい個体で、どの角度から見てもシンボリックな頬棘が際立ちます。

この頬棘は非常に繊細で折れやすいため、浮き彫りにされた標本の取り扱いには注意が必要です。しかし本標本は、頬棘がしっかりと母岩に保持されており、安心して展示することができます。

標本本体は、母岩によってしっかりと守られる構造になっています。

いかがでしょう、この凛々しい顔つき。

裏面は平らにカットされており、平置きした際にも安定します。

頭部の縁は楕円形を描き、帽子の「つば」のような部分が発達しています。

本体の背周りを計測すると約42ミリで、コルヌプロエタスとしては一般的なサイズです。

100円硬貨との比較です。専門プリパレーターによる非常に丁寧なクリーニングが施された、上質なコルヌプロエタスです。

価格:
商品ID:tr1358
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Tafraoute, Morroco
サイズ:本体カーブ計測4.2cm 母岩含め全体8.9cm×5.5cm×高4.2cm
商品説明:美麗品!専門プリパレーターによる非常に丁寧なクリーニングが施された、上質なコルヌプロエタス(Cornuproetus)
この商品は売却済みです。
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