

こちらは、モロッコ南東部、アンチアトラス山脈のジェベル・ムラキブ産の三葉虫、ペディノパリオプスの上質標本です。

ペディノパリオプスは、典型的なファコプス目の三葉虫らしい形態を示し、丸みを帯びた頭鞍(セファロン)、発達した複眼、そして深く刻まれた立体的な体節構造を備えています。ファコプス類が多様化したデボン紀中期を代表する属の一つで、高度な複眼と頑丈な外骨格を持っていました。

特徴的な、凹凸の深い立体的な体節。特に胸部は10~11節から構成され、各節が明瞭に隆起し、外側へ強く張り出しています。

やや背をそらしたダイナミックで、生き生きとしたポーズが印象的です。

左右対称で、各部、丁寧にクリーニングされています。モロッコの専門工房のベテラン職人の丁寧な仕事が光ります。

ご注目いただきたいのは、大きく膨らんだ複眼です。球状の小さなレンズが多数集まって構成されており、光を効率よく集め、周囲の変化を敏感にとらえていたと考えられています。解像度は高くなかったものの、素早く動く物体を捉えるのに適した視覚システムだったとされています。

裏面はフラットに加工され、安定して展示できます。

頭鞍部には、小さな凹凸が多数確認できます。頭鞍部が大きく張り出していた理由は、諸説あります。
1.食べ物を処理する器官が収まっていた
2.外的から身を守るための盾の役割
3.海底の泥を搔き分けて動くため(スコップの役割)
などの説があります。

ファコプス目に分類される三葉虫は、体節が非常に発達しており、体を丸めたり反らしたりと、かなり自由に動かすことができたと考えられます。体を内側に丸めて腹部(弱点)を保護する、いわゆるエンロール姿勢をとった個体も多く見られます。

節ごとに一枚ずつ側棘が備わり、しなやかでありながら強固な鎧板として機能していました。外敵から身を守る堅牢な装甲であると同時に、移動に必要な柔軟性も併せ持っていました。

背周り計測で約76ミリほどある、大型のペディノパリオプスです。

100円硬貨との比較です。ダイナミックなポーズが印象的で、細部まで精緻にクリーニングされた上質個体です。

価格:¥16,800
商品ID:tr1357
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Jebel Mrakib, Morocco
サイズ:本体カーブ計測7.6cm 母岩含め全体7.5cm×7.3cm×高4.7cm
商品説明:ダイナミックなポーズが印象的!細部まで精緻にクリーニングされた三葉虫、ペディノパリオプス(Pedinopariops)の上質標本
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