

こちらは、モロッコ南東部のアンチアトラス山脈、ジェベル・ムラキブ産の三葉虫ペディノパリオプスの上質個体です。

モロッコの専門工房で、ベテラン職人の手によって丁寧にクリーニングされた良質な一品です。

幅広い体躯に、大きく張り出した頭鞍部が特徴的です。各部には微細な凹凸が余すところなくクリーニングされており、当時の生体構造をありありと伝えています。

特徴的な頭鞍部を撮影しました。力強く盛り上がった形状がよくわかります。

その側部についている複眼。複眼にはレンズが多数残されています。ファコプス目に分類される三葉虫はこうした多レンス型の複眼を持つことで知られています。
それぞれの小さなレンズが独立して光を捉え、まるでモザイクのように外界を映し出していたと考えられています。現生のトンボやハエの複眼にも似たこの構造は、当時の海中での高い視覚能力を示しており、獲物や天敵の動きを敏感に察知していたのでしょう。

体節部から尾部にかけてのセクションです。遠目で見ていると、気づきませんが、側部には極めて小さな凹凸が無数に見られます。ぜひ接近して、あるいは、4,5倍のルーペを用いて御覧ください。この標本がいかに精緻に仕上げられているか、お分かりいただけます。

わずかに体を内側に曲げた自然なポーズです。三葉虫は弱点だった腹部を守るために、ダンゴムシのような体を丸めることができたグループが存在しました。特に、ファコプス目に分類される三葉虫はその代表格です。外敵に襲われると、頭部と尾部を引き寄せ、まるで一枚の装甲のように体を丸め込みました。この「巻き込み(エンロールメント)」と呼ばれる防御姿勢は、天敵が増えた古生代デボン紀の海でも非常に効果的だったと考えられています。

ペディノパリオプスは丸みを帯びた可愛らしいフォルムが特徴的ですが、それなりのサイズがあり、迫力を兼ね備えています。

側面から撮影しました。中央軸が大きく盛り上がっており、体高があります。

裏面は平らにカットされており、平置き時に安定します。

背周りを計測して約66ミリほどあります。左右対称の美しい個体です。

100円硬貨との比較です。保存状態は極めて良好です。素直なポーズと体表部に精緻に残されたディテールも見逃せません。

価格:
商品ID:tr1356
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Jebel Mrakib, Morocco
サイズ:本体カーブ計測6.6cm 母岩含め全体6cm×5.2cm×厚3.7cm
商品説明:素晴らしい保存状態と、精緻にクリーニングされたディテールが圧巻!ベテラン職人の手によって仕上げられた、三葉虫ペディノパリオプス(Pedinopariops)の上質標本
この商品は売却済みです。
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