

こちらは、モロッコ南部のアンチアトラス山脈、ルハンダル層から採集された、約4億年前(デボン紀初期)の三葉虫、ポロスクテラム (Poroscutellum) の一級標本です。
スクテラム属 (Scutellum) は現在も分類の再検討が進められており、その中でポロスクテラムは、頭鞍部(とうあんぶ)前面がやや平らなタイプを指します。
「ポロ (poro)」はギリシャ語で「小さな孔」を意味し、「スクテラム (scutellum)」はラテン語で「盾」を意味します。おそらく、尾部に広がる扇状の形を盾に見立てて命名されたのでしょう。
「ポロ」の語源的な命名意図は明確ではありませんが、一般的なスクテラム属に比べ、表面に微細な孔や凹み状の構造が多いことを意味しているのかもしれません。

最大の特徴である扇形の尾部が、ほぼ完璧な状態で保存された、非常に美しい標本です。保存状態・クリーニングともに申し分なく、極上品と申し上げて差し支えない逸品です。

上から撮影しました。左右対称の整った姿勢を保っています。細部に至るまで精緻なクリーニングが施されており、まさに完璧な標本です。
この標本は、数十年の歴史を誇るモロッコの専門工房が手掛けたもので、高い練度を持つ職人の技が隅々まで息づいています。

スクテラムの仲間は、一般に胸部の体節が10節あります。

シンボルともいえる尾部をクローズアップしました。この大きく広がった尾部は、海底の砂に埋もれないよう進化したのかもしれません。

幅広な体節と扇状の尾部、そしてワイドな頭鞍部の縁部が形づくる、平坦で独特なシルエットは、一度見ると忘れられません。
頭鞍部の中央には、複眼をはじめとする突起構造が集まっているので、余計に頭部が幅広く見えます。

前方から撮影しました。なかなか厳つい顔面をしていますね。

ポロスクテラムと一般的なスクテラムの間で、尾板や扇状部の形態に顕著な差異は認められません。

まさに“パーフェクト”と申し上げてよい、極上の標本です。

側面から撮影しました。約4億年の時を経た今も、まるで海底に身をひそめているかのような存在感があります。

母岩の最長部は約9センチ、ポロスクテラム本体は約4センチです。

100円硬貨との比較写真です。数十年の歴史を持つ専門工房の熟練のプリッパーが手掛けた、極上の標本です。


価格:
商品ID:tr1347
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Tafraoute, Morroco
サイズ:本体カーブ計測4cm 母岩含め全体9.4cm×6.3cm×厚3cm
商品説明:凄腕職人が仕上げた極上標本!保存状態抜群、三葉虫、ポロスクテラム(Poroscutellum)。Lhandar Formation
この商品は売却済みです。
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