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アンヅ・ウィリエイ(Anzu wyliei)とは■「鳥のような恐竜」の、最後の進化形アンヅ・ウィリエイは、白亜紀の最末期(約6,700万年前)に、現在のアメリカ・モンタナ州やダコタ地方に生息していた、オヴィラプトル類の最後の進化形です。体長は3メートルを超え、体重は300kg近く。骨格はまるで大型のダチョウのようですが、頭には色鮮やかなとさか(クレスト)をもっていたとされます。その姿は、恐竜と鳥の“ちょうどあいだ”のような存在。まさに「恐竜時代の終焉を飾った、鳥の原型」といえます。■「地獄の谷」で発見された“最後のラプトル”アンヅの化石が見つかったのは、北米を代表する化石層……ヘルクリーク累層(Hell Creek Formation)。英語で「地獄の谷」を意味するこの地は、ティラノサウルスやトリケラトプスなど、恐竜時代の“最終世代”が眠る場所として有名です。そんな中で見つかったアンヅは、オヴィラプトル類としては最大級。学者たちは「まるで“地獄のニワトリ(Chicken from Hell)”だ」と冗談交じりに呼びました。しかしその学名はもっと気品があり、古代メソポタミアの神話に登場する“天の鳥”アンズー(Anzû)にちなんで名づけられました。種小名「wyliei」は、カーネギー博物館の支援者の孫、Wylie J. Tuttle 氏への献名です。■ 雑食性の賢い恐竜アンヅは歯を持たず、代わりにクチバシで植物や小動物をついばんでいたと考えられています。つまり、草も肉も食べる“雑食性の恐竜”。その生態は、まるで現代のダチョウやエミューのようです。俊敏な脚、長い腕、湾曲したハンドクロウ(手爪)を駆使して、果実や昆虫、小型の獣までも捕らえていたと考えられます。近縁種の研究からは、繁殖期にはとさかの色を変え、求愛ディスプレイを行っていた可能性も示唆されています。■ “キロステノテス”との関係かつてアンヅの化石は、カナダで見つかったキロステノテス(Chirostenotes)と同じものと考えられていました。しかし、その後の研究で「カナダ産はやや古い時代の種」「アメリカ産は白亜紀末の進化型」であることが分かり、アンヅは独立した新属として再分類されました。つまりアンヅは、オヴィラプトル類の“最後の生き残り”であり、恐竜時代の幕を閉じた存在のひとつなのです。■ メモ・「Anzu」は、古代メソポタミアの“空の神鳥”の名。・その意味は“天の鳥”。地獄の谷(Hell Creek)で見つかった“天の鳥”という対比が美しい。・学名は2014年に正式記載。研究チームにはカーネギー自然史博物館が参加。・愛称「Chicken from Hell(地獄のニワトリ)」は、海外メディアで一躍話題に。・「最後のオヴィラプトル類」
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