唐突ですが三葉虫は海中に棲んでいました。多数の足をもった節足動物で、主に海底の泥中を這い回っていたと考えられています。この化石はその這いずった跡が残された化石です。
多数の足を持つ三葉虫が這いずると、ブルドーザーのキャタピターの移動跡のように見えます。
ちなみに、今回の足跡のように生物の一部とはいえないものの化石を生痕化石(せいこんかせき)と言います。生痕化石には足跡のほか糞(ふん)、噛み跡などがあります。また、それぞれの痕跡に名前が付いている点も興味深い点です。水中の生物の足跡については一般にクルジアナ(Cruziana)と呼ばれます。
クルジアナは三葉虫の足跡に限定しているわけではありません。節足動物の足跡全般について使われる言葉です。
この足跡を付けた主が三葉虫であるという決定的な証拠はありません。他の節足動物である可能性も否定できないものの、この産地からは同様の足跡が良く発見されており、一般に三葉虫のものであるとされています。
なめらかにカーブしていますね。このくらいの角度でしか曲がれなかったのか、あるいは、もっと急激に曲がれたのか、興味深いところですね。多数のクルジアナを収集し分析することで、三葉虫をはじめとする古代の節足動物の移動パターンが見えてくるかもしれませんね。
100円玉との比較。北米産の節足動物(三葉虫の可能性が高い)の足跡の化石です。ブルドーザーのキャタピターの移動跡のような細かい足跡が多数残されています。
価格:
商品ID:tr653
時代:古生代石炭紀(3億6700万 -- 2億8900万年前)
産地:Washington County, Arkansas,U.S.A.
サイズ:母岩含め全体8.3cm×7cm×厚2.5cm
商品説明:ずりずりずりずり・・・・。三葉虫が這い回った痕跡です。米国産クルジアナ(Cruziana)。Hale Formation。
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