こちらはドイツ・メッセルピット産のコウモリ、パレオチロプテリクス・ツパイオドン(Palaeochiropteryx tupaiodon)の化石です。およそ5000万年前に棲息していた小型の絶滅コウモリです。メッセルピット産の化石は1995年に世界遺産登録されて以来現在では入手ができません。入手できるのはそれ以前に採集されたオールドコレクションのみ。こちらはその一つです。日本国内のコレクターによって放出された現品限りのもの。今後も大切に保存してくださるオーナー様をお探ししています。
メッセルピット産の化石には他産地の化石には見られない特徴があります。たとえば、このきっちりと切り取られたかのような四角形の母岩。メッセル産の化石の大半はこのようになっています。これは以前も説明申し上げましたが、メッセルピットの化石は瀝青といって油が多く酸化すると崩れやすいという特徴があります。そこで、発見したらまず全体をレジン等で固めて固定したうえで、母岩を除去していきます。表側が終わったら、裏返して母岩を可能な限り除去していきます。そうすると、本体とレジン、そしてわずかな母岩が残されます。その後、レジンをきれいに四角に切り取るという工程をへるため、このような四角形に仕上がるのです。
またメッセルピット産の化石はご覧のように、細かい部分まで残存していることで有名です。中には有機物の一部までが保存されているかのような、素晴らしいものを含んでいます。こちらのコウモリの化石をご覧いただくと分かりますが、細かい骨などがほとんど残存していますし、全体の乱れも極めて小さいことがお分かりいただけることでしょう。これは、5000万年前のメッセルピットが有毒性のガスを発生していたことに関係があると考えられています。その上空を低くコウモリが滑空すると、酸欠を起こして動けなくなり沼に落下し化石化していったと考えられています。
母岩が歴性質であることからも分かるように、化石は油分でコーティングされ、酸化を受けにくい環境で保存されてきました。ナチュラルな缶詰のような状態です。したがって、通常では考えられないような素晴らしい保存状態を維持できたと考えられています。
折りたたんだ翼。いったん化石を採集して取り出す際には空気に触れると酸化が急激に進むため、前述のような特殊な保存方法が考案されたというわけなのです。
何十年と保存されてきたにもかかわらず、完璧と言っても良い状態を維持しています。まさに先人の知恵ですね。
全体的に黒っぽいですが、これは歴性質、つまりオイルが含まれていることを示しています。とはいえ、しっかりレジンで固められているので、油っぽい感触は皆無です。
おそらく1970年代に採集されたものと考えられますが、当時と状態は変わっていないと思われます。それほど見事な保存状況です。
腕を折りたたんでいる様子がよく分かります。
こちらは裏面です。
厚みはおよそ5ミリ。薄く軽量ですが丁寧に扱っていただければ強度に問題はありません。
100円玉との比較。希少性はS級。今や入手はできない、メッセルピット産のコウモリ、パレオチロプテリクスの化石です。この化石の価値をご理解いただき、今後も長く大切にしてくださるオーナー様を募集させていただきます。
価格:
商品ID:ot2208
時代:新生代第三紀(6600万--260万年前)
産地:Germany
サイズ:本体直線計測5.8cm×5.3cm プレート全体13.6cm×11.5cm×厚0.5cm
商品説明:希少性S級!今や入手不可のオールドコレクション品。博物館級。約5000万年前のドイツ・メッセルピット産コウモリ、パレオチロプテリクス(Palaeochiropteryx)の化石
この商品は売却済みです。
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