長い足を折りたたんでいるクモが内包されたバルト海産の琥珀です。
バルト海産の琥珀は現在からおよそ4000万年から3000万年前の針葉樹の樹脂が起源となっています。樹木は幹や枝に亀裂が入ると修復のため樹液を出します。それが固化したものが樹脂です。このクモはあえなくその樹脂に取り込まれてしまいました。
クモ以外にも植物片を取り込んでいることが分かります。バルト海産の琥珀のなかには写真のように小さな毛のようなものが含まれていることがあります。これは星状毛と呼ばれるもので、ミズナラやオークの木の雄花の化石と言われています。
星状毛が多数含まれていることがお分かりでしょうか。ミズナラは広葉樹です。針葉樹だけでなく落葉広葉樹林帯も広がっていた地域であることが琥珀に内包された断片から推察が可能なのです。
バルティックアンバーの樹脂を生み出した針葉樹についても触れておきましょう。長らくナンヨウスギ科のチリマツだと考えられてきましたが、バルト海産琥珀からチリマツの断片が見つかっていないことから、それは否定されつつあります。現在では、マツ科の樹木だと考えられています。
遠目で見ると、見事な飴色。美しい標本です。
まさか、この美しい琥珀のなかに・・・
クモが内包されているとは思いもよらないでしょう。
しかも足や体部が保存されています。
写真の左側を御覧ください。足の一部と思われる部位が脱落しています。琥珀に内包される虫はこのように一部が脱落していることがよくあります。これは樹液から脱するためにもがいたためと考えられています。
100円玉とほぼ同サイズの大きな標本です。ご覧の通り、長い足を持ったクモを内包しています。星状毛と呼ばれる広葉樹の雄花と思しき物体を多数含んでいる点にもご注目ください。
価格:
商品ID:ot1633
時代:新生代(6600万年前 -- 現在)
産地:Baltic Sea
サイズ:2.4cm×2cm×厚0.8cm
商品説明:長い足を持った蜘蛛(クモ)と多数の星状毛を内包したバルティックアンバー
この商品は売却済みです。
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