こちらは古代の絶滅哺乳類、メリコイドドン(Merycoidodon)の顎骨付きの歯化石です。
”反芻(はんすう)する歯”の意味を持つメリコイドドンという名前。発見当初は、現世のラクダやウシなどと歯が非常によく似ていたため、反芻動物であると信じられていました。
しかし、現在では、メリコイドドンは反芻することはできなかったと考えられています。反芻は草食動物にとって、非常に重要な意味を持ちます。現在のラクダやウシなどは反芻を行うことで、栄養の少ない草木から余すところなく吸収することができます。生存競争の結果、獲得した能力と言って良いでしょう。
メリコイドドンは寒冷化が進んでいた新生代中期に、大発展したグループの一つです。当時、気温が低くなり、草食動物が食べることができる植物が減り、生存競争は厳しさを増していました。メリコイドドンはご覧のように強力な歯を持っていたため、硬い草木を食べることができました。大発展を遂げた大きな要因の一つと言えるでしょう。
結果、北米から北極圏に近い地域まで勢力を伸ばすことができたと考えられています。
ところが、本当に反芻ができる現世のラクダやウシの祖先が台頭しはじめ、徐々にその勢力に陰りが見え始めました。米国カリフォルニアでメリコイドドンの化石が大量に発見されました。どうやら群れによる大量死があったと考えられています。
いち早くサバンナに適応したメリコイドドンですが、植物の栄養を効率的に吸収する能力を備えた反芻動物との生存競争に敗れ、数千万年も続いたその歴史に幕を閉じます。およそ今から400万年前のことです。
こちらの化石の保存状態は極めて良好です。
エナメル質が残された歯化石。
それを支持する顎。
メリコイドドンの見た目は豚や羊のようですが、歯は現世のラクダによく似ています。
100円玉との比較。新生代の中期に一時代を築いていた、草食動物メリコイドドンの極めて保存状態の良い顎付き歯化石です。
価格:
商品ID:ot1607
時代:新生代第三紀(6600万--260万年前)
産地:Brule Formation, Nebraska, U.S.A.
サイズ:8.2cm×4.2cm×厚1.2cm
商品説明:一時代前に大繁栄した植物食動物、実は反芻できなかったメリコイドドン(Merycoidodon)の顎付き歯化石
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