アメシストを端的に言い表せば、しばしばジュエリーで使用される紫色のクリスタル(石英)です。そうです、アメシストは本来、クリスタルで、結晶成長すると、自然に6面のピラミッド型になります。
本標本は、面取り加工がなされていますが、結晶体の本来のカット面に対して切っているので、これほど美しく輝くのです。よく石には「割れ目」があると言いますが、鉱物には「結晶系」なるものが存在し、それぞれに割れやすい面があります。石英の結晶体であるクリスタルはご覧のように、六面のピラミッドが自然の形です。ゆえに、これほど美しいカット面を楽しむことができるのです。
深い深い紫。古来より、この紫が人々を魅了してきました。ある人は、紫は最も高貴な色ゆえに、身につけた人を保護すると考えました。またある人は、これを血液の色と捉えて、中毒を防止すると考えました。日本でも紫は古来より高貴な色として捉えられています。人種も異なり交流も少なかった古来より、紫を同じ観念で見ていた、というのは実に不思議ですね。紫は人間にとって何か特別な色なのかもしれません。
色は大きく2種類に分けることが出来ます。。朱色や黄色に代表される暖色、青色や群青色に代表される寒色。紫は、その中間に当たる色です。自然界には寒色のほうが圧倒的に少なく、アルカリに代表されるように”毒”を連想させます。紫も、自然界ではマジョリティとは言いがたい存在ですが、同じ青系でも真っ青な空や海から受ける印象とは明らかに異なりますね。
アメシストは高圧下で人工的に合成することができるため、コレクションの際にはナチュラルなものと明確に区別したほうがいよいでしょう。本品はもちろんナチュラル品です。合成のアメシストはナチュラルな最高品質の品の色を模倣してできていますので、とても美しいのに対して、ナチュラル品は、色の濃いところ、薄いところが点在し、パッチワークのように見えるのが普通です。コレクターにとっては、この人工的に作ることができない複雑な模様こそが見どころなのですが・・。
濃い色と薄い色のグラデーション。人工アメシストでは色を均質にしてしまうため、このグラデーションを楽しむことはできません。
18世紀になってブラジルで巨大鉱床が発見されるまではアメシストは、最も価値のある宝石の一つでした。ダイアモンドと同じくらい価値があると考えられていたのです。特に色の濃いピースについては大変価値が高いとされています。色の濃いナチュラルな標本は現代でも高値で取引されています。他の貴石の原石と同様に重量で価値が見積もられるのに加えて、紫の色の濃さが評価の基準になります。
本標本はご覧のように、誰がどう見ても紫。紫の塊のような標本です。
古来より持ち主を冷静にし守護すると言い伝えられてきたアメシストの、100%ナチュラルファセテッドピースです。濃い紫をお楽しみ下さい。
価格:
商品ID:ot1234
時代:Unknown
産地:Brazil
サイズ:3cm×3.5cm×5.1cm
商品説明:宝石としておなじみのアメシスト、100%ナチュラルファセテッドピース
この商品は売却済みです。
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