最もよく知られた恐竜の一つ、トリケラトプスの研磨歯の化石です。
トリケラトプスといえば、ユカタン半島に巨大隕石が落下するまで棲息していた、最期の恐竜の一つ。ティラノサウルス・レックスのライバル的存在として知られていますね。恐竜の絶滅について、詳しく知りたい方はコラム「恐竜はなぜ絶滅したのか?」を御覧ください。
標本の右側が平らになっています。これは、トリケラトプスが植物を食べる方法に起因しています。
写真右側、きれいに磨かれていることがわかります。もちろん人工的な研磨ではありません。トリケラトプスは植物を食べる時、上顎と下顎を斜めに動かして、繊維を切り刻みます。人間はものをかむ時に、顎の上下運動のみを行いますが、多くの植物食恐竜は”斜め噛み”を行い、硬い植物を飲み込みやすくします。この時、歯が徐々に摩耗し、このような研磨面ができるのです。ちなみに、一定程度研磨されて使い物にならなくなったら、下から次の新しい歯が出てきます。この構造をデンタルバッテリーと言います。我々哺乳類は永久歯が抜けてしまうと歯は二度と生えてきませんが、恐竜は生きている限り、歯は生え続けてきたのです。ちなみに、現世のワニなどの爬虫類も、歯は何度でも生えてきます。サメは更に高サイクルで歯が入れ替わります。
人間の歯と違うのは、前述のデンタルバッテリー構造のおかげで、抜け替わることが前提となっているため、歯根がそれほど大きくないという点です。古い歯は下から押し出されて脱落する仕組みになっています。
歯が抜け替わるサイクルはかなり速く、すり減る前に脱落する歯のほうが多かったと考える人も多く居ます。
そんな中、この歯化石は見事なまでにすり減っています。ずいぶん長く使われ続けてきた歯のようですね。
100円玉との比較。見事なまでに歯冠が平らに研磨された、トリケラトプスの研磨歯の化石です。
価格:
商品ID:di1006
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:米国ヘルクリーク累層
サイズ:2cm×1.4cm
商品説明:典型的な研磨歯。デンタルバッテリー構造を備えたトリケラトプスの歯化石(Triceratops)
この商品は売却済みです。
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